HIV検査
保健所や病院でHIVの検査が受けられると聞きましたが、通常の健康診断などでは、HIVに感染しているか分からないのでしょうか。(20代・男性)
的確な予防で感染防止が可能
HIV検査は、血液中のHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に対する抗体の有無を調べる検査です。現在のところ、通常の健康診断には含まれておらず、あらためて保健所や病院などで検査を受ける必要があります。
エイズ(AIDS=後天性免疫不全症候群)を引き起こすのがHIVですが、このウイルスは粘液や血液を介して移る感染症です。怖いイメージがあるかもしれませんが、性行為以外の日常生活で感染することはなく、コンドームを的確に使用することで感染予防を行えます。ほかの感染症と大きく異なるのが、潜伏期間の長さです。感染した初期はほとんど症状がなく、5~8年で初めて症状が現れてくるので、積極的に検査を行わないと早期発見が難しい病気です。
万一感染した場合、完治はしないものの内服薬を継続することで、何十年も一般の人と同じように生活できるようになり、以前のような「エイズ=死」というのは、もう古いイメージになりました。
疑わしい場合は検査で早期発見を
- コンドームを使用しなかった、あるいは途中から使用した性行為をしたことがある
- パートナーは以前、別のパートナーと付き合っていた
- 気になる症状があったが放っておいた
これらの項目に一つでもひっかかる人は、一度検査されることをおすすめします。HIVは決して若者の病気ではなく、40~50代にも多い病気です。他人事だと思わず、積極的に検査を行い、早期発見することが非常に大切です。 一般にいわれているHIV検査はHIV抗体検査のことで、仮に陽性であった場合は「HIVに感染している疑いがある」ということになり、HIV確認検査という詳しい検査が必要になります。迅速検査であれば1時間以内、通常検査であれば、1週間で結果が分かります。 現在、保健所ではプライバシー保護のため匿名かつ無料で受けられます。佐久総合病院は、匿名ではありませんが、平日毎日無料で検査が可能です。また、今年から人間ドックにおいてもオプション検査として選択することができるようになりました。 自分のため、そしてパートナーのためにも、気になったら早めに検査を受けましょう。
佐久総合病院 加藤 琢真研修医