肩凝り
パソコンの入力作業などデスクワークが増え、以前に比べて肩こりがひどくなりました。症状を改善するにはどんなことに気を付ければいいか教えてください。(40代・女性)
肩凝りは多くの人に見られる症状の一つです。肩凝りから頭痛や目の疲れ、胃の不快感にまでつながってしまう人もいます。人間の肩は、重い頭を下から支え、外側には両腕がぶら下がっています。そして、首の動きや腕の動きさえ、肩周囲の筋肉で行われます。ですから、肩周囲の筋肉には大きな負担がかかり、それが肩凝りの原因の一つです。
農業など屋外での作業、座っての事務仕事、掃除や料理などの家事、どれも肩は酷使されています。しかも、腕は体の前方向に動かすことが大半で、肩甲骨までしっかりと動かすような動きは日常生活では、めったにありません。そのため肩の周囲では、血行が悪くなります。血液によって筋肉などに運ばれる酸素や栄養分が届かず、老廃物は取り除かれにくくなります。筋肉には、酸素や栄養分が不足し、老廃物がたまり、たまった老廃物も凝りや軽い痛みなど不快感の原因になります。さらに肩周囲の筋肉が凝ったり、痛くなったりすると、ますます筋肉が硬くなり血行は悪くなり、肩凝りはひどくなるのです。待ちに待った春が訪れると、薄着になりますが、朝夕や日によっては、まだ寒いこともあります。実は、この冷えも血行を悪くするので、肩凝りの一因です。
肩凝り対策には、まずは普段から肩の周囲のストレッチなどをして血行を促し、筋肉を柔らかくしておくことが大切です。肩を上下に動かしたり、腕をぐるぐる回したり、歩くときに肘を軽く曲げて、後方に大きく動かすことも効果的です。
また、肩周囲が冷えない服装も大切です。肌寒いときは、首や肩にストールを羽織ったり、タオルや手拭いを巻いたり、保温に努めましょう。ストレスや睡眠不足も肩凝りにつながることがあります。ゆっくり入浴して温まりながらリラックスしたり、ホッとできる時間をつくることもお忘れなく。
健康科学アドバイザー 福田千晶