高血圧対策
先日、健康診断を受診したところ血圧が高めと言われました。血圧が高いとどのような影響があるのか。また、予防方法を教えてください。(40代・男性)
高血圧を気にしている人は多くいます。血管には血液が流れているため、内側に圧力がかかります。これが血圧です。心臓が収縮して血管に多量の血液が勢いよく流れたときの圧力が最高血圧(上の血圧)です。圧力が下がると、最低血圧(下の血圧)となります。血圧が高いと、血管には常に広げられる力がかかり、血管を傷めます。そのため、高血圧が続いていると血管が傷ついたり、その傷が治っても血管の壁は傷跡のように厚くなるなど、血管の劣化が起こります。そして、脳の血管が破裂すれば脳出血、血管が詰まれば脳梗塞、心臓の血管が詰まれば心筋梗塞など、生命に関わる病気を引き起こします。その他、腎臓や目などさまざまな臓器の病気の原因になります。自覚症状はほとんどない高血圧ですが、放置すると危険です。
高血圧の予防で減塩が大切なことはよく知られています。健康的な食事である和食の欠点は、塩分が多くなりがちなこと。みそ汁はおわんを小さくし、具だくさんで汁を少なめにします。味の濃い漬物などは、控えましょう。減塩と一緒に大切なのが、カリウムをしっかり摂取すること。カリウムは野菜や果物に多く含まれますから、不足しないように心掛けてください。体重増加も血圧を上げる原因になります。すでに太っている人は、体重を3kgくらい減らすと、血圧が下がることがあります。また、適度な運動を週3回以上継続することで血圧が少し下がることもあります。重度の高血圧では、運動が危険なこともありますから、医師に相談してから始めてください。
気温が下がる秋冬は血管が収縮するため血圧は上昇しやすくなります。屋外での作業などの前には、自宅で血圧を測定し、健康チェックが不可欠です。
健康科学アドバイザー 福田千晶