めまい
先日、急にめまいを起こし、目が回り立っていられないほどでした。近頃、耳鳴りがしたり、耳の中での痛みを感じたりすることがありますが、関係はあるのでしょうか。 （30代・女性）
多岐にわたる原因
めまいの原因は、メニエール病などの耳鼻科的なもの、脳腫瘍や奇形などの脳外科的なもの、片頭痛や神経変性疾患などの神経内科的なもののほかに、変形性頚椎症（整形外科）、眼精疲労（眼科）、白血病（血液内科）、心臓病（循環器内科）、甲状腺機能低下（内分泌内科）、更年期障害（婦人科）、神経症（精神科）など実に多岐にわたります。
我々の平衡感覚は①視覚からの刺激、②内耳からの刺激、③全身の筋肉・関節からの刺激の３つを脳で統合することにより保たれていますが、それらの病気はこの経路のいずれかを乱し、めまいを引き起こします。
めまいを初診で担当するのは耳鼻科か内科と定めている病院が多く、内耳が原因と思われるめまいは耳鼻科が、その他の全身を評価する必要があるめまいは内科が初診し、その後、必要に応じて当該科に紹介しています。
４つの耳鼻科的なめまい
めまいが前面に出る病気で耳鼻科が担当するのは４つあります。
①耳石によるもの・・・頭を動かしたときに数十秒の回転性めまいを生じるものが代表的で、徐々に軽快しながら６週間前後で症状消失することが多く、無治療経過観察が一般的です。
②突発性難聴・・・めまい・耳鳴・難聴が突然生じて持続します。緊急の対処の必要はありませんが、数日以内に治療を開始した方が予後が良く、２カ月以上経過してからの治療は余り効果が見込めません。短期間に大量のステロイドを投与するため、入院管理することが多いです。
③メニエール病・・・突発性難聴は反復しませんが、同様の症状を繰り返した場合はメニエール病と診断します。内耳のむくみが原因と考えられ、内服にて治療します。
④前庭神経炎・・・平衡感覚の神経に風邪を引いてしまったものです。めまいのみが症状で、一般的には歩行や食事もままならないため、入院管理します。
比較的頻度の高い４つの耳鼻科的なめまいについて述べましたが、これらは通常耳痛を伴いません。相談者の方のような場合は、めまいと耳痛の関連も含めて一度耳鼻科を受診されるのが良いでしょう。
佐久総合病院 佐久医療センター 耳鼻咽喉科 清水 雄太先生
