子どもの夜泣き
2歳になる娘の夜泣きがひどくて悩んでいます。夜泣きはいつ頃まで続くのでしょうか? 夜泣きに効果的な対策があれば教えてください。(20代・女性)
2歳すぎの夜泣きは生理現象や生活習慣が誘因
一般的に夜泣きは6カ月から1歳半とされ、その年齢になるとピタッと無くなるといいます。個人差はありますが、2歳過ぎに起きる夜泣きは、脳の発達過程に起きる生理現象に加、むしろ生活習慣(起床と就寝リズム、自然光や外光のリズムなど)や環境、刺激(両親とかかわり、幼稚園や保育園での出来事など)が誘因と考えられます。
年齢とともに子どもはより多くの情報を求め、それらを吸収して成長します。その子どもに合った情報量を正しく吸収できないとストレスとなり、夜泣きとして現れるのかもしれません。
赤ちゃんがえりや夜驚症(やきょうしょう)などの場合も
年齢が高ければ「赤ちゃんがえり」の現れも考えなければなりません。また、病気ならば驚症(入眠2~3時間後に突然大きな声を出し、起き上がったり何かにおびえたように泣きわめくとともに、歩き回ったり、走り回ったりする突発性の睡眠障害)もしくは稀ですが、てんかんの症状の一つとして考える例もあります。
睡眠リズムの見直しや会話などのコミュニケーションを
夜泣きのメカニズムは、夢を見る浅い睡眠「REM(レム)睡眠」期の時に生じるようで、この時に夢を見て現実と夢の区別ができないためとか、日中の体験がよみがえるためといわれています。経験からすると確かに昼間の刺激が強かった日は、夜泣きがひどい印象があります。日常的な対処としては次のようなことを心掛けてください。
・睡眠をリセットする(車に乗せてドライブするなど)
・睡眠リズムの見直し
・子どもとの十分なコミュニケーション
・同じ年齢の子どもと遊ぶ
・両親以外の人とのコミュニケーションを育む
また、あやす時に頭を前後に強く振って「よしよし」とするのは間違ってもしてはいけません。「ゆさぶりっこ症候群」といって、頭の中で出血を起こして命にかかわる場合もあるのでご注意ください。
個人差はありますが、ある日突然、夜泣きは消え去ります。大切なのは両親の理解です。十分にコミュニケーションを育みながら、お子さんと接してあげてください。
小諸厚生総合病院 小児科部長 小林 真先生