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アルコール依存症

アルコール依存症になると、どんな症状が表れますか?

アルコール依存症になると、どんな症状が表れますか。また、依存症と診断された場合はどのような対応をすればよいか教えてください。(40代・男性)

飲酒習慣が長期に及ぶとさまざまな問題が発生

アルコール依存症とは、アルコールによって得られる精神的、肉体的な快感に依存し、飲酒をコントロールできなくなる病気です。
飲酒習慣が長期に及ぶと、飲酒への欲望が抑えられなくなり、仕事をしないで飲酒するようになります。また、一旦飲み始めると歯止めが効かず、意識が無くなるまで飲むようになります。しかも、身体がアルコールに慣れ始めると同じ量のアルコールでは酔わないため、飲酒量が徐々に増えていきま。このような飲酒習慣が長期に及ぶと、身体や精神状態にさまざまな問題を起こします。身体の問題は、糖尿病や肝障害、脳血管障害、心臓病などが挙げられます。


飲酒運転や家庭内暴力などを起こす場合も

精神の問題は長期の飲酒が脳に影響を及ぼし、幻覚や被害妄想といった精神症状に悩まされるようになります。また、突然飲酒を中断すると身体からアルコールが抜ける際にさまざまな症状(離脱症状)が出現します。離脱症状には不安や焦り、幻覚、妄想、手の震え、全身のけいれんなどがあります。しまいには、飲酒運転や仕事を欠勤する、家庭内暴力など社会的な問題を起こし、信用を失うこともあります。


治療は断酒する強い意思を持ち続けることが大切

アルコール依存症は40歳代の男性に多い病気です。しかし、女性の方が女性ホルモンの関係でアルコールの影響を受けやすく、同じ量の飲酒を続けると男性より短い期間で依存症になります。
治療には一滴も飲まないと決意し実行すること(断酒)が、最も大切です。ただし、依存状態からの断酒はとても大変なことです。手助けとして、アルコールの悩みを持つ人どうしが話し合う「断酒会」といった会合、体内のアルコールの分解を邪魔することで、アルコールを飲みにくくする「嫌酒薬」というものもあります。
断酒できずに飲酒を続けた場合、平均寿命は52歳といわれます。また、一度断酒できても気を緩めて一口でも飲むと、徐々に飲酒量が増えて元の状態に戻ってしまうことがよくあります。アルコール依存症の治療は、絶対に酒を飲まないという気持ちを持ち続けることが何より大切です。


佐久総合病院 関根 有沙研修医

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