新型インフルエンザ
現在、流行している新型インフルエンザについて、症状や感染ルートのほか、日常生活で気をつけることなど教えてください。(20代・女性)
人から人への感染力が強いウイルス
新型インフルエンザの特徴の1つとして、それほど強毒性ではなく、重症化する可能性は少ないということがあげられます。ただし、人から人にうつる(感染する)力は強いようです。2つめには、60歳以上の患者がほとんどなく、10代などの若い世代の患者が多いことです。その詳しい理由は、今のところよく分かっていません。3つめは、現在ある「タミフル」や「リレンザ」などの薬が効くということです。ただし、薬の効きにくいウイルスの存在も報告されています。
症状と感染経路
症状としては、突然の高熱や咳、咽頭痛、全身倦怠感に加えて鼻汁や鼻閉、頭痛などで、これまでのインフルエンザとよく似ています。また、下痢などの消化器症状が多いともいわれています。
感染経路は、これまでのインフルエンザと同じで、咳やくしゃみとともに放出されたウイルスを吸い込むことによって起こる飛沫感染と、ウイルスが付いた手などで目や鼻、口などに触れることにより粘膜や結膜などを介して感染する接触感染が考えられています。
妊婦や持病のある人は十分な予防を
ほとんどの方が軽症で回復しています。ただし、持病のある人たちの中には、状況により新型インフルエンザに感染すると重症化する場合があります。次のような持病がある方は、十分な予防につとめてください。
・慢性呼吸器疾患
・慢性心不全
・糖尿病などの代謝性疾患
・腎機能障害
・ステロイド内服などによる免疫機能の落ちている方
その他、妊婦や乳幼児、高齢者も十分な注意が必要です。
家族が感染した場合の注意点
感染した家族を自宅で看病する場合、なるべくほかの家族とは別の個室で静養し、マスクの着用や咳エチケットを心掛けてもらいましょう。咳エチケットとは、咳やくしゃみをする時に人から1m以上離れ、さらにマスクなどで咳やくしゃみが飛び散らないようにすることです。
ほかの家族も手洗いを徹底し、マスクを着用しましょう。特に直接看病した場合は、十分な手洗いを行い、感染の予防につとめてください。
※新型インフルエンザの予防については、常に最新の情報を入手し、冷静な対応を心掛けてください。
佐久総合病院救命救急センター部長 岡田 邦彦先生