噛み合わせ
歯の噛み合わせが悪いのですが、矯正した方が良いのでしょうか?
以前、虫歯の治療を受けた際、「歯並びはいいが、噛み合わせがあまりよくない」と言われたことがある。矯正した方がいいのか。また、放置しておくと今後、何か影響はあるか。
噛み合わせとは
近年、咬むことが歯や顎の健全な発育、健康の維持に重要であるばかりでなく、全身や精神活動の発達にも関与する問題であることが認識されつつあります。
咬む行為とは、左右一対存在する顎の関節とその周囲に存在する筋肉が調和して顎全体を動かし、最終的に上の歯と下の歯が接触することです。噛み合わせが悪いとは、歯と歯が接触したときに強く当たっている部分がある場合や、食べ物をすりつぶすときにどこかで歯と歯が引っかかる場合がある状態を言います。また、歯並びが悪く飛び出してしまっている歯がある場合や、歯並びがよくても上下の歯がずれた状態で咬んでいる場合も、噛み合わせが悪いと言えます。
噛み合わせ異常が引き起こす障害
人間はわずかな噛み合わせのずれがあるだけでは、順応してしまうため気がつきませんが、徐々に顎の関節や筋肉また全身に悪影響を及ぼすことがあります。
咬み合わせの異常が引き起こす障害は以下のようなものがあります。
- 咀嚼機能異常:上下の歯の接触する部分が少なくなり、食べ物をよく噛んで食べることができなくなるため食生活が偏る。
- 虫歯・歯槽膿漏になりやすい:噛み合わせが悪いため一部に食べかすがたまりやすくなる。
- 外傷を受けやすい:転んだ時に前歯がでていたりすると前歯が地面に当たりやすく、歯に損傷を受けたり唇を切ったりする。
- 顎関節症になりやすい:噛み合わせの異常のため顎の運動が制限を受けると、顎の関節に負担がかかり痛みが生じ、これを避けるため無理な運動をすると偏頭痛や肩こり、ひどい場合は腰痛などが生じる。
矯正をしなければならない場合もありますが、咬み合わせを少し調整するだけでもよい場合がありますので、最寄りの歯科医院で一度咬み合わせの確認をしていただき自分の状態を確認することをお勧めします。
小諸厚生総合病院歯科口腔外科 上原忍先生