歯の変色
歯の変色(黄ばみ)が目立つようになりました。もとの白い歯に戻すことは可能でしょうか。また、タバコやコーヒーも変色の原因と聞いたことがありますが、本当ですか。
歯の白さを保つには毎日の歯磨きが重要
歯牙着色の原因は、外因性と内因性の二種類があります。タバコやコーヒーによる着色は、成人になって歯の表面に色素が付着して、色の変わった外因性の着色です。同様の現象は、紅茶や番茶の多飲者、漢方薬を常用している人でしばしば見られます。
このような歯の着色を取る方法として、日常の歯磨きが最も重要です。丁寧に時間をかけて磨けば少なくすることができます。細部や隙間の着色は取れない場合が多いので、かかりつけの歯科医院で専用の器具を用いて研摩してもらえば、取り除くことができます。しかし、歯の表面に微細な傷を付ける原因にもなるので、色素が沈着しやすく、歯石が付いたままの放置や、確実な歯磨きを怠ると再度着色してしまいます。
簡便に歯を白くする方法として、市販の歯専用マニュキュア、歯牙用漂白消しゴムなども販売されていますので、それらを試して見るのも一つの方法ですが、根本的な解決方法にはなりません。
喫煙は単に歯の着色だけでなく、肺がんなどの原因になるので、この際、禁煙をお薦めします。コーヒーや紅茶を愛飲される方は、頻回のうがいや寝る前の確実な歯磨きを合わせて行うと予防になるでしょう。
歯科医と相談して最良の方法を
歯の神経を取った後からの変色や歯の打撲による変色は内部からの原因です。これは一~二本の歯に限定して見られます。永久歯のつくられる小児期に高熱を発する病気に罹患すると、歯の表面の形成が障害され部分的に変色する現象が多くの歯で見られる場合があります。このような変色歯に対しては、歯の表面を全体に一層削除して、人工材料(セラミック.プラスチック)を用いて天然歯に近似した色調の冠を被せる方法があります。また、歯の前面だけを一層削除し、前装材を付け爪のように張り付けるなどの方法もありますが、いずれも短所の多い治療方法です。
かかりつけ歯科医と相談して最良の方法を選んで下さい。
小諸厚生総合病院 歯科口腔外科医長 山崎 正詞先生