眼疲労
パソコンやスマートフォンをよく使うせいか、最近、目が疲れやすくなった気がします。IT機器と目の疲れは関係があるのでしょうか。 (30代・男性)
光の刺激が目に負担を掛ける
厚生労働省の調査によると、パソコンや携帯、スマートフォン、タブレットなど端末(IT機器)操作をする人の7割近くが、何らかの疲労を訴え、うち9割の人が「目の疲れ」を感じています。パソコンの画面は画素という小さな点の集まりからなっています。画素が非常な速さで点滅して画像をつくるため、目は常にチラチラした光の刺激にさらされ負担が掛かっています。
私的使用の場合、使用時間を減らせば良いですが、公的使用では少しでも症状を軽減して業務を行いたいため、原因を明確にすることが大切です。
疲労の原因にあった対処が重要
目に病気や屈折、両眼視、輻輳開散、調節に異常がないか診察を受けてください。適切な眼鏡やコンタクトレンズを使い、IT機器の画面から約50cm離れて操作します。最長約1時間ごとに10分程度の休憩(力を抜いて遠方を見たりする)を入れることが大切です。
疲れは「ドライアイ」の方にも現れます。特にコンタクトレンズを使用している方は、コンタクトレンズの素材を乾きにくいタイプのものに替えましょう。画面を見るときに、視線が少し下方になるように姿勢を正して乾燥を防ぎます。まばたきの回数も重要です。モニターを注視するとまばたきの回数が減少し、涙の流れが悪くなります。角膜の表面から涙が蒸発しドライアイを助長させてしまうため、意識してまばたきを行います。点眼薬の併用も良いでしょう。
疲れをためないことが大切
画面が発しているブルーライト(青白い光、短波長光)が、より目を疲れやすくするといわれています。最近では、ブルーライトをカットするパソコン用眼鏡などが販売され効果があるといわれています。いろいろ工夫しても症状が緩和しない場合には使用してみるのも一案ですが、効果が不明な物もあるため、眼鏡店で確認して購入することをおすすめします。
疲れは蓄積される前に、数回の休憩や睡眠で回復できる程度に抑えることが大切です。
佐久総合病院 視能訓練科 猿谷 淳子先生