レーシック
友人からレーシック手術で視力が回復したという話を聞き、自分も受けようか迷っています。感染症や後遺症などの心配はないのでしょうか。また、回復しても視力が低下してしまうことはないのでしょうか。(30代・男性)
近視や乱視の矯正に開発
屈折矯正手術は眼鏡やコンタクトレンズを使わず、手術的に近視や乱視を矯正する方法です。近年、特殊なレーザーを使って角膜の屈折力を調整して視力を回復するレーザー屈折矯正手術が開発され、その中でも特にレーシックは年々手術を受ける人が増えています。
レ―シックの手術方法
まず、マイクロケラトームという器具やフェムトセカンドレーザーを用いて角膜表面を薄く切って蓋状のフラップをつくります。次にフラップを開けて角膜実質部分にエキシマレーザーを照射します。レーザーの照射後はフラップを元の位置に戻します。最近では度数だけでなく、見え方を劣化させる収差を矯正するレーシックが開発されました。収差が大きいと度数は合っているのに、かすむ、にじむなど見え方が悪くなります。この収差を事前に測定し、手術後収差が小さくなるように個々の目に合わせて治療するのが、ウェーブフロントレーシックです。
現状を知ってから決める
レーシックには健康保険が適用されません。治療費は10~30万円程度必要です。手術前に検査を行い、レーシックが可能かを調べます。18歳以上であり、近視の度数が過去1年間安定していることが必要です。術前の屈折異常の程度によっては手術が受けられないことがあります。また、目に別の病気があるときや、全身の病気を持っている場合も手術を受けられない場合があります。多くの場合、手術をした翌日から視力は回復しますが、視力が安定するには1週間から1カ月程度かかります。90%以上の人が裸眼視力1.0以上に回復しますが、100%成功するとは限りません。近視が残って再手術が必要になったり、再度近視が出現してきたり、フラップが手術後ずれたり、感染したりすることも報告されています。手術後、眼科専門医の指導に従ってきちんと点眼を行い、定期的な検査を受けることは非常に大事です。
小諸厚生総合病院 眼科医長 大谷 壮志先生