ドライアイ
3年ほど前からソフトコンタクトレンズを常用しているが、最近、装着していると違和感がある。レンズにキズは見当たらないが、ドライアイと関係はあるか?
ドライアイとは
ドライアイは、涙の質が悪くなる(蒸発しやすい)、涙の量が非常に少なくなることにより眼の表面、つまり角結膜上皮が障害されることにより、「眼が疲れやすい」、「ゴロゴロする」、「ショボショボする」「乾いた感じがする」、「重たい」、「かすむ」等といった症状が起こります。
まずドライアイを知るには、涙の働きとまばたきの役目が重要になります。涙は三つの層に分かれ、外側から油層、水層、ムチン層となっています。その中でも、特に油層が涙の蒸発を防ぐ役目をし、まばたきは角膜を刺激することにより涙腺から涙の分泌を促し、その涙を角膜全体に均一に押し広げ、涙の隙間ができるのを防ぐ役目をしています。
ドライアイの原因
ドライアイが起こる原因として、涙の減少と蒸発しやすいことが考えられます。涙が減少する原因が分からない人も多いのですが、中年女性やシェーグレン症候群といった自己免疫性疾患の人に多く見られます。また、老化やホルモンバランスが崩れることにより涙の脂成分を出す穴が詰まり、涙の油膜ができにくく涙が蒸発しやすくなることが原因となっています。その他にもドライアイは生活習慣とも深く関わっています。
コンタクトレンズとドライアイの関係
例えば、最近ではパソコンや携帯電話に夢中になりすぎてまばたきが減少し、涙が蒸発しやすくなります。また、暖房やクーラーにより空気が乾燥すると涙が乾きやすくなります。コンタクトレンズ(以下CL)では、角膜全体を覆うため角膜の感度が低下し、まばたきが不完全となり涙の分泌が低下します。種類別にみるとハードCLでは、涙がCLの中央に吸い込まれるためCLの周辺部で涙が不足になり、ソフトCLでは、油膜が広がりにくく蒸発しやすくなるためにドライアイといった状態になります。
このようにCLとドライアイは深く関係しています。しかしCLを装用しているだけで角膜に傷がある人が多く見られます。レンズ自体に傷が無いとすれば、一度眼科を受診し、角膜の状態を診てもらうことをお勧めします。
小諸厚生総合病院 眼科医長 山井 聡先生