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副鼻腔炎(蓄膿症)

最近、鼻づまりが多く、痛みを伴うことがあります

黄色い鼻水が出ます。鼻づまりもあるし、鼻が痛い気もします。風邪だと思っていたのですが副鼻腔炎なのでしょうか。また市販の薬で治るのでしょうか?(50代・女性)

副鼻腔の炎症が原因

顔面には鼻の周囲に骨壁で囲まれた左右4対の空洞があり、この空洞を副鼻腔といいます。上顎洞(両側の頬)、篩骨洞(両眼の間)、前頭洞(額)、蝶形骨(鼻の一番奥)と呼ばれています。副鼻腔はそれぞれ自然口という直径2~3㎜の小さな穴で鼻腔と交通しており、空気が出入りしたり副鼻腔内の分泌物や細菌を排泄しています。これらの副鼻腔に炎症が起こることを副鼻腔炎といいます。俗に蓄膿症と呼ばれています。


2つのタイプにわかれる

副鼻腔炎には急性と慢性の2つのタイプがあります。風邪などで鼻腔にウイルスや細菌が感染し、自然口を通じて副鼻腔にも感染すると、急性副鼻腔炎が起こります。急性副鼻腔炎は、抗菌薬などをきちんと内服すれば通常は1~2週間で治ります。治りきらなかったり再発を繰り返すうちに炎症が悪化し、粘膜が腫れて厚くなり自然口が狭くなったりふさがれてしまうことがあります。すると副鼻腔内の分泌物や細菌が排泄されなくなり、膿となって副鼻腔内にたまります。このような状態が3カ月以上続くと慢性副鼻腔炎と診断されます。慢性副鼻腔炎では膿の混じった粘っこい鼻汁や鼻汁が喉にまわる後鼻漏、鼻づまり、臭いが分からない、頭が重いなどの症状が現れます。このような症状がある時は、前鼻鏡という器具や内視鏡を使って鼻の中を調べます。鼻の中にポリープや粘っこい鼻汁などがある場合には、レントゲンやCT検査で副鼻腔の炎症の程度を詳しく調べます。


症状に合った治療を

慢性副鼻腔炎の治療には、保存的治療と手術療法があります。これらの治療によって粘膜の腫れを取り、鼻汁を外に出して本来の鼻腔の機能を回復させます。保存的治療は、軽症やポリープのない中等症に行われ、マクロライド系抗菌薬を通常使用する量の半量で3~6カ月間内服します。手術療法は、重症やポリープのある中等症に対し行われ、全身麻酔下で内視鏡を鼻の穴から入れて治療します。副鼻腔炎は炎症の程度に合った治療をきちんと受け、根気よく継続することが大事です。


佐久総合病院 耳鼻咽喉科医長 會田 小百合先生

 

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