帯状疱疹
帯状疱疹という病気を知りました。痛みをともなう皮膚病ということですが、どのような原因で発症するのでしょうか?治療法などと合わせて詳しく教えてください。（30代・女性）
帯状疱疹とは
帯状疱疹は、水疱瘡と同じウイルス（水痘・帯状疱疹ウイルス）によって起こる病気です。多くの人が子どもの頃に水疱瘡にかかりますが、このウイルスは症状が治まっても身体の神経節の中に潜んでいます。疲労やストレス、加齢などによってウイルスに対する免疫力が低下すると、潜んでいたウイルスが再び活動を始め、帯状疱疹として発症します。
症状と主な治療法
身体の左右どちらか一方に、ピリピリ針で刺されたような痛みが起こることから始まります。その後、強い痛みをともない、帯状に赤い発疹や小さな水ぶくれができます。やがて水ぶくれはかさぶたとなって治ります。通常、痛みが起こり始めてからかさぶたが治るまで、3週間から1カ月かかります。皮膚症状が良くなるとともに痛みも軽減することが多いですが、ときに帯状疱疹後神経痛といって強い痛みが残ることがあります。
治療は主に抗ヘルペスウイルス薬を中心に行われます。同時にビタミン剤や消炎鎮痛剤なども用いられます。痛みに対しては、神経ブロックという注射が行われることもあります。
日常生活上の注意
帯状疱疹になるのは、疲れやストレスで身体の抵抗力が低下している証拠です。無理をせずに、栄養と睡眠を十分に取りましょう。また、患部が冷えると痛みがひどくなるので、できるだけ温めて血行を良くしましょう。
帯状疱疹が他人にうつることはほとんどありませんが、水疱瘡にかかったことがない人には、水疱瘡を発症させる可能性があります。水ぶくれが治るまで、水疱瘡にかかったことのない人には接触しない方がよいでしょう。
帯状疱疹は早期に適切な治療を行うことで症状を軽くし、合併症や後遺症である帯状疱疹後神経痛のリスクを減らすことができます。
痛みや水疱などの異常を感じたら、早めに医療機関を受診してさい。
佐久総合病院 皮膚科 御子柴 舞子先生
