水疱瘡(みずぼうそう)
息子の通っている幼稚園で水疱瘡が流行しています。小さい頃に済ませた方がいいと聞くので、特に心配はしていませんが、私は一度もかかったことがありません。大人が感染すると症状が重いなどと聞くので、少し心配です。どのように対処すればいいでしょか。(30代・主婦)
免疫力が低下した子どもには注意が必要
水疱瘡は、水痘ウィルスによって起こる子どもではありふれた感染症です。元気な子どもがかかっても、ほとんどは合併症を起こさずに治ります。しかし、空気を通じた感染力が強く、免疫力が低下した子どもがかかると重症化することがあるので、小児科では注意が必要な感染症です。子どもの予防の決め手は、予防接種です。接種しても完全に予防できるわけではありませんが、軽く済みます。
合併症が少ないといっても発熱、かゆみ、皮膚の細菌感染症などを起こし、1週間位の休園や登校停止などを考えると、元気な子どもでも予防接種をしておくことが望ましいと思います。
成人では重症化する傾向も
小児期を過ぎて思春期や成人でかかると、高熱や肺炎の合併など重症化する傾向があります。成人でかかったことが無いという人も、多くは免疫があるといわれています。しかし、確実に予防するか軽く済ませたいと考えるなら、大人でも予防接種を受けるのが望ましいと思います。接種の時期は、健康状態に問題のない時に受ければよいのですが、水疱瘡の人と接触した場合でも、72時間以内に接種すれば、かからないか、軽く済むといわれています。
子ども成人ともに決め手は予防接種
その他の予防としては「アシクロビル」という薬を飲むという方法もありますが、かかると重症化する可能性のある人には行いますが、健康な人には行われていません。また、この薬は、水疱瘡の症状が出てから24時間以内に飲めば、症状を軽くするといわれています。元気な子どもが全員飲む必要はありませんが、重症化しそうな人や12歳以上の人は飲んでもよいと思います。
しかし、予防の決め手は成人でも予防接種を受けることです。1回の接種で、10~20年間は有効です。接種料は医療機関ごとに違いますが、7000円前後ですので、心配な方は予防接種をおすすめします。
佐久総合病院 小児科 牛久 英雄先生