飲酒
お酒が好きで、毎日お酒を飲んでいます。しかし、飲み過ぎは良くないと友人に言われました。 お酒を飲むと体にどのような影響があるのでしょうか。また、一日の適量はどのくらいでしょうか。(40代・男性)
これからの季節は飲酒の機会も増えそうです。アルコールは適量ならリラックスでき、楽しい気持ちになり、会話が弾むなどのメリットがあります。しかし、飲み過ぎが健康の害になることを忘れてはいけません。アルコールは、高尿酸血症や痛風、肝機能障害、脂質異常症、糖尿病、膵(すい)炎、食道がん、肝臓がん、咽頭・喉頭がんなど病気のリスクが高くなります。飲酒すると夜中に目覚める睡眠障害、翌日の眠気などにもつながります。多量飲酒を長年続けていると、脳への影響もあり認知症になりやすく、さらに歩行障害などの運動障害を生じることもあります。酔うと暴力的になったり、気が大きくなったり、人格が変わってしまったり、性的な衝動が抑えられなくなったり、社会的な問題の心配もあります。
ビール中瓶1本分のアルコールを体内で分解するのに、個人差や体調にもよりますが、男性なら2.2時間、女性なら3時間ほどかかります。寝る前に中瓶3本も飲んでしまうと、翌朝までアルコールが残る可能性があります。その状態で自家用車やトラクターを運転すると、飲酒運転になります。いろいろな意味でアルコールとの付き合い方は注意が必要なのです。1日の適量としては、ビールなら中瓶1本、大目に見ても男性で大瓶1本。女性はアルコールの分解に男性より時間がかかることもあり、中瓶1本までです。日本酒なら1合、ウイスキーならダブルの水割り1杯までが目安です。1日にその2倍、2合またはビール中瓶2本以上飲むと、健康障害が起こりやすくなるので適量を守りましょう。
料理などを食べながら飲んだり、途中で水やお茶を飲みながら遅めのペースで飲んで、飲酒量を抑えるのも良い方法です。何軒ものはしご酒、長時間の飲酒は量が増えるので避けたいことです。休肝日も週2日確保したいことです。何歳までも、飲酒を楽しみたい人は、少量を心掛け、高齢になってまでも飲酒を楽しめることを目指してはいかがでしょう。
健康科学アドバイザー 福田千晶