こむら返りの対策
- なぜこむら返りをするのでしょうか。
寝ていると、突然こむら返りになります。どんなことが原因で、何か予防する方法がありましたら教えてください。(70代男性)
寒い日や、農作業をいつもより頑張った日の就寝中に、こむら返りを起こして、痛みで目覚めたことはありませんか?
こむら返りは筋肉のけいれんの一種で、足に力を入れたときや就寝中などに生じる、ふくらはぎにある腓腹(ひふく)筋の異常な収縮による激しい痛みです。脳から筋肉への連絡が筋肉の一部にしか伝わらず、その筋肉だけが過剰に収縮することによって起こります。
根本的な原因は、神経の伝達と筋肉の収縮を調整しているカルシウム、マグネシウムなどのミネラルバランスの乱れといわれています。ミネラルを運ぶ役割は血液が担っていますが、冷えや脱水によって血行が悪くなることで、こむら返りが起こりやすくなるのです。
寒い時期に増える不快なこむら返りは、なんとか予防したいですね。対策としては日頃からストレッチを行い下肢の血行を良くして、筋肉の状態を整えるように努めることです。寒さが厳しいこれからの季節は、ふくらはぎの冷えを予防する衣服やハイソックスを着用しましょう。農作業の後の入浴では浴槽の湯にゆっくりつかって、冷えた体を癒やしてください。こむら返りが起きてしまった場合は、足の爪先を手前に引くなどして、ふくらはぎをゆっくりと伸ばしましょう。
治療薬としてよく使われるのは、ビタミンEや漢方薬の「芍薬甘草湯」(しゃくやくかんぞうとう)です。ただし、こむら返りには、糖尿病、動脈硬化、腎臓疾患、下肢静脈瘤(りゅう)など、思わぬ病気が潜んでいることもあります。繰り返す場合は、医療機関を受診することをお勧めします。
健康科学アドバイザー●福田千晶