骨粗しょう症
一年ほど前のある日、腰に激痛がはしり、起きあがれなくなりました。近くの病院で診てもらったところ、「骨粗しょう症」と診断されました。それ以来、痛み止めの薬を処方していますが、薬ではなく、根本的な治療法はないでしょうか。
生活習慣病の一種
骨粗しょう症は若い人にはなく、中年以降、特に高齢者に多く起きる病気で、いわゆる「生活習慣病」の一種と考えられるので、手術や薬ですぐ治る病気ではありません。しかし、骨粗しょう症自体は悪性の病気ではないので、食生活や運動を含めた生活習慣を改善したり、薬を使うことによって少しずつ良くなってくることがあります。
骨粗しょう症は骨が弱くなってきている状態を示す病気で、レントゲンを撮ったり、骨密度を測定すればわかります。骨粗しょう症自体は怖い病気ではありませんが、その状態が進行するとだんだん背中が丸くなってきて、ちょっとつまずいたぐらいで骨折を起こし、それが原因で寝たきりになってしまうことがしばしば起こります。治療は現在我が国ではビタミンDやK、ビスフォスフォネート剤など七種類の治療薬がありますが、最近では新しい薬がどんどん開発されてきています。
食事と運動が大切
食事療法についてはカルシウムを多くとることが大切で、食事でカルシウムをたくさん取っても取りすぎることはありません。しかし、高血圧、高脂血症や糖尿病などを合併している人は食材に注意が必要です。この病気はやせている人に多いので、無理なダイエットは禁物です。ただし、肥満は骨粗しょう症にはよくても、他の「生活習慣病」には悪いので注意しましょう。
運動はとても大切です。散歩を毎日少しでも続けて、筋力をつけるように心がけましょう。重力を感じない水泳よりも、できればリュックサックに荷物を入れて背負って歩く方が、重力を感じて骨は丈夫になっていきます。
すぐに治る病気ではありませんが、生活に注意しながら治療を受ければよくなってくることが多いので、気長にかまえることが大切だと思います。