メタボリック症候群
「メタボリック症候群」という言葉をよく耳にしますが、太っていれば全員該当するのでしょうか?そうではないとすると、具体的にはどのような状態のことをいうのか、日常生活で気をつけることと合わせて教えてください。(40代・男性)
メタボリック症候群の基準
メタボリック症候群とは、太っていることに加え「脂質の異常」「血圧が高い」「血糖が高い」のうち、2つが当てはまる人を指します。これらの症状があると、動脈硬化がすすんで狭心症や心筋梗塞など心臓の病気にかかりやすいとされています。
メタボリック症候群には、はっきりした基準があり、男性ならウエスト(腹囲)が85cm以上、女性なら90cm以上で太っている、つまり肥満に当てはまります。脂質は、中性脂肪が150mg/dl以上、またはHDLコレステロール40mg/dl以下とし、血圧は、上(収縮期)が130mmHg以上または下(拡張期)が85mmHg以上。血糖は、空腹時血糖が110mg/dl以上の場合としています。
原因は内臓脂肪の多さ
厚生労働省の平成16年の調査では、40歳以上では男性の2人に1人、女性の5人に1人はメタボリック症候群、もしくはその予備軍とされています。
ひと口に肥満といっても、皮下脂肪型と内臓脂肪型があって、メタボリック症候群の場合は、内臓脂肪が多いことが原因です。皮下脂肪は、定期預金のように貯まりにくいけど減りにくい、内臓脂肪は普通預金のように貯まりやすいけど減りやすいという特徴を持っています。
適度な運動とバランスの取れた食事で体重をコントロール
メタボリック症候群にならないために一番大切なのは、体重をコントロールすることです。そのためにも適度な運動と、バランスの取れた食事を心掛けましょう。
対策としては、食事の時にまず最初にカロリーの低いものを多く食べることや、週に3回以上30分以上の軽いウォーキングをすることなどがすすめられます。大切なのは三日坊主にならずに継続することです。食事も運動もあまり無理せず、できることを続けることから心掛けましょう。
佐久総合病院総合診療科 西島 健 先生