睡眠時無呼吸症候群
家族に、寝ている時にいびきが止まっていから睡眠時無呼吸症候群じゃないかと言われました。睡眠時無呼吸症候群の原因と生活への影響を教えてください。(30代・男性)
同室で寝る家族から「寝ている間に呼吸が何秒か止まっている」とか「いびきが時々止まる」。こんな指摘があるなら、睡眠時無呼吸症候群かもしれません。
睡眠中に10秒以上の無呼吸が一晩30回以上、もしくは1時間当たり5回以上ある場合は睡眠時無呼吸症候群です。太った男性に多いですが、下顎が小さい人などは、睡眠時無呼吸症候群があり得ます。睡眠中に呼吸が停止して、目覚めて睡眠が中断されることもあります。浅い睡眠を繰り返すため、質の良い睡眠が取れません。そのため昼間に眠気が出やすく、農作業の途中でも休みたくなり、作業の途中で集中力が途切れたり、車やトラクターの運転中でもウトウトしたり、危険もあります。無呼吸や低呼吸を繰り返す低酸素状態はいろいろな病気の原因にもなり、最悪の場合は突然死の原因にもなるので侮れません。
原因は、睡眠中に喉(上気道)が狭くなることです。原因としては、肥満で喉の周囲が脂肪で圧迫されることと、下顎が小さく喉の断面積が小さいことがあります。肥満の人は減量が大切です。食事の見直しと運動する習慣を継続し、肥満の解消を目指しましょう。大量の飲酒をした夜に呼吸が止まりやすい人は、飲酒も控えめに。睡眠時無呼吸症候群の治療法としては、装着した鼻マスクから呼吸に合わせて空気圧を送るCPAPという装置がよく用いられます。また、マウスピースを使用して下顎を前方にずらすことで、喉を広げる方法もあります。睡眠時無呼吸症候群の心配がある人は「睡眠外来」のある医療機関、もしくは耳鼻咽喉科か呼吸器内科を受診して相談してみましょう。
健康科学アドバイザー●福田千晶