夏バテから秋バテへ
夏バテはしなったのですが、秋になると頭痛やだるさなど体調が良くありません。歳のせいなのでしょうか。(60代・男性)
猛暑で夏バテした人も多いでしょうか? これから秋風が吹いても倦怠(けんたい)感が続いていたり、初秋のころに体調が悪くなる、いわゆる「秋バテ」になる人もいますから油断大敵です。夏の疲れからなかなか回復できない上、仕事内容や生産する作物などによっては、むしろ秋の方が忙しくなります。まだまだ暑い日もあって夜は寝苦しく、時には台風もあり気温や気圧が大きく変動しやすいので、体はその変化に合わせるのも大変です。
秋になると、日によって朝夕はかなり気温が下がり体が冷えるため、血行が悪くなり肩凝りや腰痛が起きやすくなります。胃腸の調子も不良になりがちです。また、夏は運動不足や甘い物の食べ過ぎ、冷たいビールの飲み過ぎなどで太ってしまう人の方が多いのが現状です。夏に3kg太った人は、秋は3 kgの荷物を体に加えて生活するので、バテやすくもなります。そんないろいろな条件が重なり合って、秋バテになると考えられます。特に、お年寄りは夏の疲れからの回復が遅く、食欲も低下しやすく、さらに気温や気圧の変化に順応しにくいので、この季節は要注意なのです。疲労がたまらないように休憩や睡眠をしっかり確保することも大切です。シャワー浴だけではなく湯につかる入浴で、血行を促進することもお勧めです。
低気圧のときに頭痛やだるさなど体調が悪くなる人は、市販の酔い止め薬を内服すると、気圧変動や揺れを感知する内耳の興奮を抑えて楽になる場合もあります。お年寄りはこの季節に体調を崩しやすいのです。気温の変化に合わせて衣服で調節し、体を冷やす冷たい飲食物の取り過ぎに気を付けて、元気に過ごしていただきたいです。
健康科学アドバイザー 福田千晶