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肺炎球菌の予防接種

肺炎球菌の予防接種を受けた方が良いのでしょうか。

予防接種はどんな人が対象になるのでしょうか。適切な年齢などがあれば教えてください。(60代・男性)

肺炎を引き起こす細菌
肺炎球菌は文字通り肺炎を起こす細菌です。肺炎の原因として、最も多いといわれています。感染して肺炎になると、発熱・咳・痰などの症状がでます。また、血液の中に入り込んで「敗血症」を引き起こしたり、脳脊髄液の中に侵入して「髄膜炎」を引き起すこともあります。その場合には、高熱が出て意識が朦朧としたり、激しい頭痛や全身の痛みを感じることもあります。いずれにしても、肺炎球菌に感染すると「急に高熱が出て具合が悪くなる」というのが特徴です。


ワクチン接種で予防が可能
肺炎球菌の感染症にかかりやすいのは、小児や高齢者など免疫力が弱い方です。また、肺や心臓に慢性的な病気(肺気腫、心不全など)を持っている方や、手術で脾臓を摘出した方も、肺炎球菌の感染症にかかりやすいといわれています。
肺炎球菌に効く薬はあるので、適切に治療が行われれば、治すことができます。しかし、免疫力が弱っている方に感染した場合や、敗血症や髄膜炎に至った場合には、命を脅かすこともあります。先ほど挙げた肺炎球菌の感染症にかかりやすい条件に当てはまる方は、肺炎球菌ワクチンを接種することが薦められています。


65歳以上で定期接種の対象
現在、日本で承認されている肺炎球菌ワクチンには、「23価ワクチン」と「13価ワクチン」の2種類があります。成人には主に23価ワクチンを接種します。接種費用は医療機関によって異なりますが、6,000円から8,000円程度です。
テレビコマーシャルでも宣伝していますが、65歳以上で接種歴のない方は5歳刻みで定期接種の対象になっており、接種費用の補助を受け取ることができます。補助金額は自治体によって異なっています。対象者にはお住まいの自治体から案内が届きますが、不明な点は自治体に問い合わせてください。


対象年齢の小児は無料で接種
小児では、13価ワクチンが定期接種に導入されており、対象年齢であれば無料で接種できます。標準的な接種開始年齢は生後2カ月から6カ月で、0歳代に3回、1歳代に1回接種します。接種の開始が遅れても、5歳未満であれば定期接種の対象となる場合がありますので、かかりつけ医に相談してみてください。(2017.12)


佐久総合病院 総合診療科部長 鄭 真徳先生

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