C型肝炎
発症の有無を調べる検査は、どこで受ければ良いのでしょうか。治療法なども教えてください。(50代・男性)
C型肝炎とは
C型肝炎はウイルスによってひきおこされる病気です。感染すると、肝臓にウイルスが持続的に住みついた状態(慢性)になることが多いです。慢性になってしまうと10~30年くらいの間に肝臓が徐々に悪くなり、肝硬変や肝臓がんになることがあります。
症状は
C型肝炎が進行して重度の肝硬変になるとむくみ、腹水、意識の悪化、黄疸などの症状がでます。しかし重度の肝硬変になるまでの間は症状がほとんどありません。血液検査をして初めて分かることが多いです。
検査方法は
血液検査で「HCV抗体」を調べます。HCV抗体検査は人間ドックや手術前のチェックなどで行われます。また肝臓病が疑われる場合に医療機関で調べることがあります。保健所で無料検診が行われています。保健所の検診は予約が必要です。住民検診や会社検診では行われないことが多いです。
HCV抗体が陽性であればC型肝炎の疑いがありますが、すべてがC型肝炎ではありません。最終的には医療機関での確認が必要です。
治療について
1992年からインターフェロンという注射薬による治療が行われるようになりました。C型肝炎が治せるようになったことは朗報でしたが、比較的手間がかかる、副作用がおおい、初期には治癒率が満足できるほど高くなかった、といった問題がありました。インターフェロンに内服薬(のみぐすり)を併用するなど、改良がくわえられ、徐々に治癒率は改善してきました。
2014年から内服薬だけのC型肝炎治療が可能となりました。インターフェロンに比べると副作用が少なく、通院回数も少なく、治癒率はおおむね90%以上です。多くの人に治療が行えるようになってきました。 内服のC型肝炎治療ができるためにはいくつか条件があります。C型肝炎ウイルスのタイプ、進行状況、他の病気がないかどうかなどを確認したうえで、治療薬の種類や組み合わせを考えます。条件によっては治療できないこともあります。
C型肝炎の病状確認や治療薬の選択には専門的知識が必要なので、専門医療機関を受診してください。肝炎の専門医療機関は各県の肝疾患診療相談センターのホームページや電話相談で知ることができます。(2017.09)
佐久総合病院 本院 一般内科 髙松 正人医師