たばこと老化について
たばこをやめる事ができず長年吸い続けています。このまま吸い続けていたらどのような体にどのような影響があるのでしょうか。(50代・男性)
喫煙は健康に悪いことは広く知られています。喫煙者はたばこを吸わない人に比べて寿命が約10年も短い上に、がんの原因になったり、動脈硬化を促進させたりします。さらに、たばこによって外見の老化も進ませて「スモーキングフェース(たばこ顔)」になってしまうと知ると、恐れる人も多いでしょう。
喫煙を続けていると、特に口の周囲にしわが増えます。また、歯が黄ばみ、歯肉は黒ずみ、歯が抜け落ちる年齢もたばこを吸わない人に比べて10歳くらい早くなります。声もガラガラ声になりやすく、老けた印象になりがちです。口の周囲はたばこの害を直接受けやすい部位です。肌には染みやしわが目立ち、肌の弾力は乏しく、目の周囲のたるみも目立ってきます。髪の艶がなくなったり、白髪が増えやすくなるといわれています。喫煙によって赤血球に一酸化炭素が結び付いてしまい、酸素が結合できる部位が減り、体の各部位に運ばれる酸素が減るため、肌や髪、いろいろな臓器に運ばれる酸素が不足します。さらにニコチンの作用で肌の表面などの血管は収縮し細くなり、運ばれる血液が減りますから、各部位に届く酸素は不足するのです。その上、喫煙で活性酸素が増えて細胞の酸化を促進するので、肌のコラーゲンの生成を低下させるなどが原因で老化につながるのです。
しかし、禁煙したことで、肌の状態が良くなったり、髪に艶が戻った人もいます。スモーキングフェースになることを避けたいなら禁煙が必要です。1日に1箱吸う人ならたばこ代が1日およそ600円、1年で約22万円、40年間吸うとその期間に値上がりもあるでしょうから、たばこ代はおよそ1000万円になると思われます。1000万円を吸って燃やしてしまう上に老化も進むのは、なんとももったいないと思いませんか?
健康科学アドバイザー●福田千晶