尿路結石
激しい痛みで知られる尿路結石ですが、どのようなことが原因で起きる病気なのでしょうか。また、普段の生活で気を付けることがあれば教えてください。
突然やってくる七転八倒の痛みで知られている尿路結石ですが、その原因自体はまだはっきりしていません。
尿路結石の成分は、多い順にシュウ酸カルシウム結石、リン酸カルシウム結石(両者で85%ほど)、リン酸マグネシウム結石、尿酸結石、シスチン結石などです。成分により、予防法にも違いがあります。
予防のためには尿を薄くし、結晶が起こらないようにすることが、どの成分の結石に対しても一番重要です。そのためには、とにかく飲水量を多くするように心がけましょう。1日の尿量で、2,000~2,500mlがすすめられます(成人の1日尿量は、普通で1,000~1,500ml)。時には、1日の尿量を量ってみることをおすすめします。
清涼飲料水は砂糖が案外多く、尿中へのカルシウム排泄を多くするとされ、多量に飲むのはすすめられません。アルコールは、利尿作用があり、飲んだ直後には尿量が増えます。しかし、その後脱水となりますので、水分補給の意味からはやはりすすめられません。水や番茶、麦茶などが尿路結石予防に良いでしょう。
カルシウムについては、制限すると腸管からのシュウ酸の吸収が増えるため、食事のカルシウムは増やした方が良いとされるようになりました。シュウ酸の増加の方が良くないのです。
動物性蛋白や脂肪を多量に摂取することも、結石予防には良くないとされます。このため、牛乳は低脂肪の方が良いでしょう。
とはいうものの、食事療法はほかの病気との兼ね合いもありますから、尿路結石のことだけを考えるのではなく、バランス良く取ることに心がけましょう。また、食事から2~4時間後が尿中排泄物質のピークとされますので、就寝四時間前には食事を済ませておきましょう。
尿路結石は、再発の多いのも特徴ですから、1年に一回は医療機関に受診されることもおすすめします。
佐久総合病院 泌尿器科 平林 直樹先生