アレルギー性鼻炎
草刈りをしていると、涙や鼻水がでる。普段はそのような症状は見られないが、なぜそのようになるのか?
花粉症の可能性
くしゃみ、鼻水といった症状は、かぜの初期にもよく見られます。識別は難しいこともありますが、熱やのどの痛みがあまりなく、また、目のかゆみや涙が出るといった症状がある場合、アレルギー性鼻炎が疑われます。アレルギー性鼻炎はいろいろな原因によって起こりますが、その中でも、植物の花粉によって、引き起こされるのが、花粉症です。
花粉症というと、春先の杉花粉症が有名ですが、それ以外にも、ヒノキや松などの樹木、イネ科やキク科などの雑草の花粉症もよく見られます。これらは、症状の出る時期が毎年大体決まっており、5・6月の初夏にはカモガヤ、オオアワガエリなどのイネ科、8月から10月ころまではヨモギやブタクサといったキク科の花粉症が認められます。ご相談の方は、草刈りによって症状が出ていますから、雑草による花粉症が疑われます。
継続的な治療で抵抗力をつける
診断のためには、原因となりそうな物質を少量、体に入れて反応が出るかどうかを見ます。また、血液検査でも調べることが可能です。
原因となる物質(抗原)がわかったら、それらを体に入れないようにすることが大切です。抗原は鼻や目から侵入します。花粉が多い時期にはなるべく外出しない、外出するときはマスクや眼鏡をかける、などの注意が必要です。草刈りは、できるだけ他の人に代わってもらったほうがいいでしょう。
根本的な治療には、減感作療法があります。これは抗原を少量ずつ注射していき、体に抵抗力をつける方法ですが、数年間治療を続けなければなりません。最近は、いろいろな抗アレルギー剤があり、眠気などの副作用が少ないものもあります。症状が出現する前から薬を飲むことをお勧めします。症状に応じて、点鼻薬などと併用すると効果的ですので、医師にご相談ください。
小諸厚生総合病院 田中映子先生(耳鼻咽喉科医長)