自律神経失調症
最近、頭痛やめまいなど体調不良が続いています。友人に「自律神経失調症では」と言われました。「自律神経失調症」とはどのような症状なのでしょうか。
具合が悪いのに「異常なし?」
頭痛、めまい、ふるえ、手足の冷たさ、胸がドキドキする、息苦しいというような症状が突然起きる、もしくはいつもジワジワと続いていたりするために病院で受診され、血液検査や胸のレントゲン写真、心電図などの検査やあるいはもっと詳しい検査を受けられて、結果「異常ありません」という説明。「なぜ?どうして?こんなに具合が悪いのに異常が無いなんて」と思われた方は多いと思います。そして「自律神経失調症」と診断されます。それは、人間の体内の環境や全身の機能の調子を整えるために協働して働いている交感神経(活動する神経)と副交感神経(休息する神経)からなる自律神経系がうまく作動しないため、そのような症状が現れると一般的には考えられています。
失調症状の原因
「自律神経失調症」というのは正式の病名ではありません。ある状態を表す言葉として使われていて、診断する人によってその定義はまちまちです。「自律神経失調症」になりやすいのは、1.生まれつき自律神経の働きが乱れやすい方2.自分の体の不調にとても敏感な方3.感情や疲労などのストレスを無理に抑え込んでしまう方4.日頃のストレスの慢性的な蓄積で抑うつ状態になっている方などです。その中でも3.のストレスを無理に抑え込んでしまう方が半数を占めるといわれています。
治療にあたっては、その失調症状の原因(と思われるもの)、症状の種類、人柄のタイプなどにより内科、心療内科そして必要なら精神科が担当にあたります。
治療の方法
治療方法としては、1.自律訓練法などによるセルフ・コントロール2.薬物療法3.カウンセリングなどの心理療法4.指圧、マッサージ、整体、鍼灸、ストレッチなどの理学療法5.音楽療法、アロマテラピーなどがあり、その他の治療法を組み合わせ、自律神経の安定をはかって症状を改善させていきます。
佐久総合病院 心療内科医長 藤井 伸先生