わきが(腋臭症)
臭いの対処法や治療法のほか、健康保険の適用などについて教えてください。(20代・男性)
臭いが強い方は治療が必要
「わきが」は思春期にアポクリン腺が増殖して、腺からの分泌物をえさに常在菌が産生する物質が臭う状態をいいます。わきがは遺伝することが知られており、日本人では10%程度の人がわきが体質といわれています。
臭いが強い方では、自己ケアが難しく、社会的に不適応を起こしやすいため、治療が必要です。治療法ですが、まずは、手術に頼らないケア法として、銀イオンの入った市販のデオドラントスプレーをお風呂上がりに使用することをお勧めします。医師の処方で外用剤を使うこともあります。
手術によるわきがの治療法
こうした方法でも臭いに悩む方にお勧めするのは手術療法です。当院では主に全身麻酔で手術を行っております(局所麻酔でも行うこともできます)。手術法には反転剪除法、掻爬吸引法、超音波メス法、吸引削除法などがありますが、当院では反転剪除法を用いています。この方法は、わきのくぼみに約3〜4cmの切開を入れ、有毛部の皮下を剥がして反転し、直視下に臭いの源であるアポクリン腺を切除する方法です。臭いはかなりよく取れます。術後わき毛が減り、わきの発汗も減ります。
入院して万全の管理を
原則入院を勧めています。入院手術をお勧めする理由は、血腫(皮膚の下に血液が溜まる)の予防と早期発見が大事だからです。術後の痛みが手術による痛みなのか、血腫によるものなのかは診察しなければわかりません。血液が縫合創の皮下に溜まりますと、皮膚の血流障害や痛みが生じ、放置すれば、皮膚の壊死に至ることさえあります。また、術後の安静や痛みの管理、連日の処置も必要です。
当院は健康保険が適用されます
手術療法の治療費は、保険が適用されます。手術代、麻酔代、お薬代、処置代、食事代、その他を含めて個人負担は、3割負担者で9万円程度です。なお、美容外科クリニックなどでは保険が適用されないこともありますので、確認が必要です。詳しくお知りになりたい方は、インターネットで佐久総合病院のホームページで詳しい内容を読むことができます。(2017.06)
佐久総合病院 佐久医療センター 形成外科部長 大谷津 恭之先生
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