周産期母子医療センター
出産の設備が整った病院で出産を考えています。順調に経過している妊婦でも同センターで健診や分娩を受け入れてもらえるのでしょうか。(20代・女性)
分娩室では産まれたての新生児の元気な泣き声が響き、病室ではお腹の減った赤ちゃんが母乳に吸い付き、その横ではお腹のいっぱいになった赤ちゃんとお母さんがゆっくり休んでいる。廊下では大きなお腹の双子を妊娠中の妊婦さんが早産予防のため安静入院を過ごしている。そんな病棟が佐久医療センターの周産期センターです。場所は東2階病棟になります。
正常分娩も積極的に支援
当センターは地域周産期母子医療センターとして、異常や問題を抱えた妊婦さんの支援を外来と病棟で行っています。NICU(新生児特定集中治療室)もセンター内に併設されているため、小児科の先生とも協力して妊婦さんや胎児・新生児の診療を行っています。けれども、これまで長野県佐久市臼田の佐久総合病院本院で行っていたように、地域の正常妊娠分娩も積極的に受け入れています。帝王切開後の経膣分娩はできないかどうか、逆子の経膣分娩もできないかどうかなど、できる限り安全な範囲での自然分娩を勧めています。
周産期医療が充実
分娩室は「LDR分娩室」という陣痛分娩回復が同じベッドで継続して行える設備になっています。出産後は、母児同室制で赤ちゃんが飲みたいときに母乳をあげられるようにしていますし、必要があればいつでも赤ちゃんをお預かりしてお母さんには休んでいただけるようにしています。
地域連携で安心なお産を
佐久地域でも産婦人科分娩施設や医師、助産師、看護師は不足しています。そのため、正常な経過の妊婦さんは地域の産婦人科施設と連携し、妊娠後半までの健診はできる限りほかの施設で行っていただき、妊娠8カ月頃よりご紹介の上で当センターの外来での健診を開始しています。分娩制限は行っていません。
もちろん、異常が起きた際には救急センターとしての機能もありますので、急患としてお受け入れは可能です。異常を感じた場合には、まずは受診されている施設にご相談していただければ、地域の産婦人科施設は連携し協力体制を取っていますのでご安心ください。地域の皆さまが安心して健やかな妊娠生活を過ごし、安心してお産を経験できるようにスタッフ一同お待ちしております。(2017.05)
佐久総合病院 佐久医療センター 周産期母子医療センター長 産婦人科部長 小口 治先生