セカンドオピニオン
また、他の先生に意見を聞くのは担当の先生に対して失礼に当たらないのでしょうか。(40代・男性)
別の意見を聞き理解を深める
患者さんにとっては自分の病気の診断、治療方について、いろいろな先生の意見を聞きたいこともあると思います。例えばがん治療などは手術にするか、放射線治療にするかなどは、それぞれが違う専門家がいますので、いろいろな立場の先生から意見を伺うことは有意義であると思います。
「セカンドオピニオン」とは普段診療を担当している先生の診断や治療方針について別の医療機関で「もう一つの意見」「第二の意見」を求めることで、より患者さん自身に納得して医療を受けていただく手段です。セカンドオピニオン外来を受診して結果として同じ診断や治療法であっても別の切り口からの説明を受けたり、さらに病気に対する理解が深まったりします。違う治療法の場合は具体的にどこでどのようなことが可能なのかなどの意見を聞くことができます。
しっかりと担当医に伝える
実際にセカンドオピニオンを別の医療機関で希望される場合には、普段診療を担当している先生に、判断材料となる臨床経過、検査結果、画像データなどを提供していただくことが必須になりますのでその旨をしっかりと担当医に伝える必要があります。この際「失礼ではないか」と考える必要はありませんが、やはり具体的にどの点を別の先生に聞きたいか、どの点が疑問点なのかなどを担当医に表明していただけるとより良いのではないかと思います。
セカンドオピニオン外来受診後、「第二の意見」は担当医にレポートのような形で送られますので結果として普段担当されている先生の診療の質を上げることにも役立ちます。
納得のいく治療のために利用
良いことづくめにも見えますが、セカンドオピニオン外来の先生方は専門領域の先生ですから一般に多忙で、大抵は遠方の大病院となり予約がかなり先になることが多いものです。病状に余裕があるかどうかは確認した方が良いでしょう。意見を伺って迷っている間に病気が深刻になってしまってもいけません。
また、セカンドオピニオン外来は保険がききませんので各医療機関で定められた料金を自費診療の形で支払うことになります。なかなか治療方針など疑問が解消しない場合には納得のいく医療のために利用すると良いでしょう。(2017.04)
小諸厚生総合病院 副院長 神経内科 露﨑 淳先生