カフェイン
コーヒーを一日に5杯ぐらい飲んでいましたがカフェインの摂り過ぎは体に良くないと聞いてから、なるべく控えています。カフェインを摂取し過ぎると、体にどんな影響が起きるか教えてください。(30代・女性)
カフェインとは
カフェインはコーヒーから分離された物質です。興奮作用や眠気覚まし、利尿作用があり、コーヒー、お茶などの飲み物、チョコレート、ドリンク剤、風邪薬、頭痛薬などにも配合されています。
カフェインのメリット
「お茶を1日5杯以上飲む人は死亡リスクが減る」という研究や「コーヒーを飲む量が多いほど糖尿病発症リスクが下がる」という研究があります。
しかし、飲み物からはカフェイン以外の成分も摂取されますし、お茶を1日に5杯以上飲む生活習慣の持ち主がアルコール依存症のような不健康な状態を持つことは少ないと想像されますので、カフェインの効用かどうかは分かりません。体に良いかどうかはともかく、美味しいことが一番なのです。
体に与える影響
1.カフェインを常用すると眠気覚まし効果が弱くなります。これを耐性といいます。眠気覚ましには効かなくなっても、大量に摂取すると中毒を起こすので注意が必要です。
2.カフェインには弱い依存性があります。ある研究では普段コーヒー4杯くらいを飲んでいる人が急に飲むのをやめると、約半数の人が半日から2日目後に頭痛などの不調を感じたそうです。
3.平成27年12月、国内初となる急性カフェイン中毒による死亡例が報告されました。一般的にはカフェインを1g以上摂取すると嘔吐など、2g以上で頻脈や筋肉の破壊など、5g以上で興奮や頻呼吸、痙攣など、7.2gで致死的不整脈が出現したという報告があります。アルコールを併用すると中毒症状が悪化します。
カフェイン含有量
市販の風邪薬や頭痛薬、飲料には1回分で25から120mgカフェインが含まれているものがあります。眠気覚ましには100から200mg、ドリンク剤には30から150mg、コーヒー100mlには60mg、紅茶100mlには30mg、烏龍茶100mlには20mg、煎茶100mlには20mg、玉露100mlには160mgのカフェインが含まれています。
コーヒーなど飲料単独では中毒を起こすまで摂取するのは難しいですが、風邪薬や眠気覚ましを大量に使うと中毒を起こします。量を過ごさず長いお付き合いにしましょう。(2016.10)
小諸厚生総合病院 循環器内科部長 甲斐 龍一先生