便秘
長年、慢性便秘で悩んでいますが、便秘にもいろいろな種類があると聞きました。どんな種類があるのか、便秘の解消法と合わせて教えてください。(50代・女性)
便秘のタイプを知る
便秘とは、一般的に排便の回数、または便の量が減少するなど、排便が順調に行われず、おなかに便がたまる状態のことをいいます。便秘にはさまざまな種類があり、種類によっては正しいと思っていた解消方法がより便秘を助長することがあります。まずは自分がどのタイプの便秘なのかを知ることが便秘を改善・解消させるための第一歩です。
便秘は一過性のものと慢性のものとがありますが、私たちが日ごろ便秘と呼んでいるのは多くの場合、ご相談いただいた慢性便秘のことです。慢性便秘は原因によって、弛緩(しかん)性便秘、痙攣(けいれん)性便秘、直腸性便秘の3つに分類されます。
女性に多く見られる症状
弛緩性便秘は、大腸の筋肉が緩み、蠕動(ぜんどう)運動が活発に行われないために起こります。便がスムーズに流れず長時間腸内に滞留するため、便の水分が腸壁から吸収されます。便が硬くなって排便しにくくなり、便秘になってしまいます。慢性便秘の中で最も多いのがこのタイプといわれ、高齢者や中年以降のお産を多く経験した女性に多く見られます。運動不足などによって腹筋が弱くなると便秘になりやすいため注意します。腹筋を鍛えると同時に、食物繊維を積極的に摂取することが大切です。
さまざまな原因で起こる便秘
痙攣性便秘は、精神的ストレスや不規則な生活などが原因で起こります。自律神経が乱れ、大腸の筋肉が緊張して痙攣を起こし、排便しにくくなる便秘です。ストレスを軽減し、生活習慣を見直すことが効果的な対処法です。
直腸性便秘は、便意を感じたときに我慢することなどが習慣化し、直腸の神経が鈍くなって起こります。S字結腸から直腸にかけて便が長時間滞留したために便の水分が吸収され、便が硬くなって排便しにくくなる便秘です。便意を感じたときには我慢せず、排便習慣を身に付けることが何よりも大切です。以上が便秘の分類と対処方法ですが、ご自身で解決できない場合は、お気軽に医師にご相談ください。
佐久総合病院 平田 知之研修医