脱水症予防
目まいや頭痛、吐き気の症状があったので病院を受診したところ、脱水症と診断されました。脱水症の予防方法を教えてください。(60代・女性)
人間の体の60~70%は水分でできています。この水分が不足し体調不良になるのが脱水症です。暑くて汗が出ると体から水分が失われ、十分に補給されないと脱水症になります。特に炎天下での農作業などは、気を付けないと危険です。
脱水症が起きると、目まいやふらつき、頭痛、吐き気などの症状が現れます。涼しい所で休み、水分を補給します。塩分と糖分を含んだ経口補水液やスポーツドリンクもお薦めです。もしくは、梅干しと麦茶、塩あめと水などを摂取します。自力で水分が飲めないときや、けいれんや意識がもうろうとするなど重症の場合は、医療機関の受診が必要です。脱水症は熱中症の引き金にもなります。また、血液中の水分が減ると、ドロドロになって固まりやすくなります。血の塊が脳の血管に詰まると脳梗塞、心臓の血管に詰まると心筋梗塞、肺で詰まると肺塞(そく)栓になります。命に関わる場合もありますから、予防が大切です。
脱水症の予防で大切なのは、もちろん水分補給です。水分と一緒に塩分なども取らないと体内で水分を保持できません。まず、朝ご飯はしっかり食べて、食事からの水分と栄養、塩分も取っておきます。汗をいっぱいかく作業では、途中で小まめに水分や塩分も補給します。高齢者は体内に保持できる水分が少なくなるので、炎天下など極度に暑い所だけでなく、室内にいても脱水症は起きるので安心はできません。また、暑い場所に慣れていない人も脱水症になりやすいので、屋外作業の新人や運動部の新入生は要注意です。風通しの悪い倉庫や体育館での作業や運動、炎天下に止めた自動車に乗ったときなども、かなり汗をかきますから、事前に水分を補給しておかないと、いけません。ビールなどアルコールは利尿作用があり排尿量が増え水分を補給はできませんので、大量飲酒は控えて、夕食時や入浴の前後などは麦茶や水などで水分の補給も忘れずに。
健康科学アドバイザー●福田千晶