糖尿病
糖尿病と聞くと、太っている人がなるようなイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか? また、糖尿病にならないためにはどんなことに気を付ければいいか教えてください。(30代・男性)
体型に関係なく発症するケースも
質問のとおり、太っていると糖尿病になりやすい傾向にあります。余分な脂肪を身体に蓄えている場合、インスリン(膵臓から出る血糖を下げるホルモン)の効きが悪くなります。すると、血糖を下げるためにもっとインスリンを出そうとします。しかし、がんばりすぎた膵臓は疲れ過ぎて、今度はインスリンを出せなくなってしまいます。そして、さらに血糖が上がり、遂には糖尿病「2型糖尿病」になってしまいます。
しかし、生活習慣が良好でスリムな身体でも、膵臓からインスリンが出なくなり、2型糖尿病になる人もいます。また、ウイルスや自己免疫が原因で膵臓からインスリンが出なくなってインスリン注射が必要になる「1型糖尿病」という病気もあります。
生活習慣の改善が大切
先述のとおり、気を付けていても発症することはありますが、生活習慣の改善等で予防できる場合が多く、具体的には体重コントロール、適切なカロリー摂取、定期的な運動があげられます。
理想の体重(kg)は、身長(m)×身長(m)×22で計算できます。この数値を大きく上回っている場合は注意が必要です。体脂肪率は15~25%が理想です。男性で25%以上、女性で30%以上の場合は体脂肪量が多いと考えてください。
1日の摂取エネルギーの目安は、理想エネルギー(kcal/日)=理想体重×運動強度による係数(軽労働=25~30)、(中労働=30~35)、(重労働=35~40)で計算できます。
食事のエネルギー比率は炭水化物65%、脂質20%、タンパク質15%が理想。適度な運動で体脂肪が燃えやすく、インスリンがよく効く身体をつくることも大切です。
定期的な健康診断で早期発見を
それでも予防できない場合があるので、毎年、行政や職場の健康診断を受けて糖尿病の可能性がないかチェックしましょう。糖尿病は進行しないと、身体のだるさや頻尿、口が渇くなどの症状が出ないので、早期発見のきっかけとなる健康診断は、とても重要です。異常があれば、早めに精密検査や栄養相談、治療を受けるようにしてください。
小諸厚生総合病院内科 紅谷 知影子先生