食欲不振
毎年暑い季節になると食欲が落ち、栄養面で心配です。食欲を落とさないようにする方法や夏バテ時におすすめの食事などがあれば教えてください。(40代・男性)
自律神経の不調から胃腸の働きが低下
人間の身体は暑い時に発汗作用を促し、体温を一定に保とうとします。日本の夏は高温多湿で汗が皮膚から蒸発しにくく、体温調節をする自律神経の働きが乱れます。自律神経の不調は胃腸の働きを弱めることになり、食欲が落ちてしまいます。また、日中の暑さに加え、夜の寝苦しさが原因で十分な睡眠が取れず、疲労が回復できないことも考えられます。暑い季節はエネルギーの消費が激しく、汗とともに失うビタミンやミネラル分を毎日補給する必要があります。また、汗で失われた水分の補給はもちろん、塩分の補給も十分に気を使う必要があります。
夏野菜で体内の水分を補う
食事の面で心掛けることは、旬の野菜を取り入れることです。トマトやキュウリ、レタス、ナス、ピーマンなどの夏野菜は身体を適度に冷やす効果があるのでおすすめです。夏野菜は水分が豊富なので、生食の場合は体内の水分を補えます。胃腸が弱っている時は、火を通すことで消化吸収が良くなるので、炒めたり、スープなどに調理すると胃腸の負担を軽減できます。また、温かい食べ物は発汗作用を促す効果もあるので、適度に取り入れましょう。
栄養バランスを考えた食材の組み合わせ
食欲が無い時にそうめんなどの食事が続くと栄養が偏ってしまうので、糖質(ごはんや麺類)の分解を助け、エネルギー源に変えてくれるビタミンB1を多く含む豚肉や豆腐料理を加えましょう。さらに、ビタミンB1の吸収を助けるのがネギ類です。麺類の薬味でたっぷり取ると一層効果的です。
夏に限らず、主食(糖質)と主菜(タンパク質)、副菜(野菜)がそろった食事が理想的です。普段からこの組み合わせを考慮し、バランス良く食べるようにしましょう。
小諸厚生総合病院 永友 由美子管理栄養士