赤面症
私は人前に出ると顔が赤くなります。恥ずかしいときだけでなく、人に声を掛けられたときなども赤面します。それが嫌で人と会ったり話したりするのを避けてしまうことがあります。何か対処法はあるのでしょうか。(20代・女性)
赤面症とはどんなものか
赤面症とは赤面した顔を他人に見せることを極端に恐れる症状をいいます。誰かと会うときに非常に緊張し、顔が赤くなるということは誰にでも起こり得ますが、その赤面した顔を見られるのがすごく恥ずかしいと思い、次第に人と関わることを避けてしまう対人恐怖症の中の一つといわれています。
何が原因で起こるのか
緊張したときなど、ドキドキと鼓動が早くなりませんか。鼓動が早くなることで顔の皮膚のすぐ下の毛細血管に大量の血液が流れることで顔が赤くなります。つまり、誰にでも起こる当たり前の症状といえます。
ただ、のぼせ、あがり症の人、対人関係で不安や緊張を感じやすい人などがなりやすいといわれています。また、恥ずかしがりやな人がなりやすいともいわれています。対人関係の苦手意識から不安がパターン化してしまうということが考えられます。ただ、こういった性格傾向のみではなく交感神経や副交感神経のバランスの乱れで起こるともいわれ、さまざまな原因で起こり得ます。
このまま治らないのか
人前に出て話すことなどを繰り返すうちに、場数を踏むということで慣れて、ある程度の方は克服する場合もあります。しかし、それ以外の方は顔が赤くなることを極端に恥ずかしく思い、ますます人前に出ることを恐れて人を避けてしまうという悪循環を繰り返してしまうので、なるべく早く何らかの対応をした方が良いと思います。
対処法と治療法
自分でできる対処法としては、腹式呼吸をしてリラックスすることが良いといわれています。その際に“人前に出ることは誰でも緊張し、恥ずかしいこと。それは当たり前のことだ”と何度も自分に対して言い聞かせると良いでしょう 。また、実際の場面で赤面が出ない、出ても軽く治まったといった成功体験を繰り返して対人場面での不安を減らしていくことが効果的です。
それ以外には抗不安薬などの薬物療法や漢方、 認知行動療法などの心理カウンセリングが有効といわれています。これらは医療機関等を受診する必要があるので、かかりつけ医にご相談されると良いと思います。
佐久総合病院 臨床心理科 深澤 桂樹先生