インフルエンザ
小学校に通う子どもがいますが、学校でインフルエンザが流行りだしたようです。学校や家ではどんな対応が必要でしょうか。また、かかってしまったときの対処法も教えてください。(30代・女性)
学校や家での感染予防
「手指衛生」と「マスクの装着」が重要です。アルコールが主成分の「擦式アルコール製剤」での手指消毒もお勧めします。ただ乳幼児のいるご家庭は誤飲に注意が必要です。マスクの装着や部屋の湿度を上げることは、のどの保湿を促し免疫力アップにつながります。咳があればマスクを装着し、素手で口を覆わない、鼻をかんだら手を洗うなどが重要です。学校やお出掛け時にはマスクを装着しましょう。
人に影響するインフルエンザは大きく分けてAとBで2種類あります。当院でも以前同シーズンにAとBと2回インフルエンザにかかったスタッフがいました。一度かかっても油断せず予防に心掛けましょう。
ワクチン接種の必要性
ワクチン接種による発症予防効果は60%程度で、重症化予防効果もあります。学童が集団接種することで、インフルエンザに関連した高齢者の死亡率が下がり、接種率が60?70%であれば、学級閉鎖は減少するといわれています。
検査・治療
流行期に急に発症する症状(別表参照)があればインフルエンザを疑います。発症して12時間以内の迅速検査では、インフルエンザでも陰性が出る確率が高いですが、小児(主に乳幼児)の合併症として脳炎や脳症があり死亡率が高いので、早めの受診をお勧めします。一般的な抗インフルエンザ薬は、症状を24時間程度早く緩和する効果が認められていますが、発症から48時間以内に使用を開始する必要があります。ただ医師が重症と判断すれば、発症48時間以降でも使用が推奨されています。点滴の薬は一般的に入院が必要で重症な方に使用されるものです。インフルエンザ症状に効能のある漢方薬もありますが、薬の選択は医師とよくご相談ください。
小諸厚生総合病院 感染管理認定看護師 藤極 友昭先生