ジェネリック医薬品
「ジェネリック医薬品」という言葉をよく聞きます。成分や効き目などは同じでも価格が安いそうですが、どのような医薬品なのでしょうか?使用する際のメリットや安全性などと合わせて教えてください。(20代・女性)
ジェネリック医薬品とは
ジェネリック医薬品とは、後発医薬品のことをさします。先発医薬品(新薬)の特許期間や発売後の有効性・安全性を確認するための再審査期間が満了した後で承認されたもので、有効成分や含有量、用法、用量、効能・効果は同じ薬です(ただし、先発医薬品に新たな適応症が追加された場合には、ジェネリック医薬品と効能・効果が一部異なる場合があります)。
ジェネリック医薬品の承認は、先発医薬品と比べて臨床試験などさまざまな試験が省略できます。そのため、開発費用も安価で開発期間も短いことから、比較的薬価(医薬品の価格)が安くなるという訳です。
メリットと安全性
ジェネリック医薬品の薬価は、先発医薬品の約2~7割と定められていて、平均すると約半額になるといわれています。
本格的な少子高齢社会を迎えるわが国において、医療費の問題は深刻です。ジェネリック医薬品は、患者さん個人の薬代の負担を軽くし、さらには、国全体の医療費節減にも大きく貢献することができるといえます。
安全性や有効性については、先発医薬品が発売されて特許期間が満了するまでの長い期間に、多くの患者さんに使用されることから、証明されています。また、ジェネリック医薬品も先発医薬品同様、厚生労働省が定めた厳しい試験をクリアして開発・製造されているので、先発医薬品と品質・有効性が同じと認められた薬として、安心して使っていただくことができます。
処方(購入)時の注意
2008年4月から処方箋の様式変更により、処方箋に設けられた「後発医薬品への変更不可」の欄に医師のサインがない限り、ジェネリック医薬品への変更が可能になりました。ご希望の方は、診察時に医師に申し出てください。
ただ、ジェネリック医薬品が存在しない薬や病気によっては薬を替えづらいケース、患者さんによっては先発医薬品と同じ効果が得られないなど、様々なケースが想定されます。処方(購入)の際は、担当医師と相談し、その時の症状などに合った薬を選択するようにしましょう。
小諸厚生総合病院 薬剤科 佐藤 岳道薬剤師