花粉症
毎年春になるとスギ花粉で目のかゆみに悩んでいますが、友人は違う季節に花粉症になると聞きました。花粉の種類によって治療法などの違いはありますか?(40代・女性)
日本人の5人に1人が花粉症
花粉症とは、花粉が原因となって起こるアレルギー性の病気です。花粉が飛ぶ時期にだけ、くしゃみや鼻水、目のかゆみ、充血などの症状が現れます。すべての花粉にアレルギー症状が現れる可能性があり、特に春先の時期に飛ぶスギ花粉は、アレルギー症状の出る人が多くみられます。そのため、この時期になると花粉症に対する関心が高まってくるわけです。日本人の花粉症の有病率は約20%、5人に1人が花粉症といわれ、そのうち約80%がスギ花粉症といわれています。
花粉の種類と飛散する時期
スギ花粉はだいたい2月から4月頃まで飛びます。そのほかの花粉としてはヒノキ(4~5月)やカモガヤ(5~7月)、ブタクサ(8~10月)などが有名です。また、スギとヒノキの両方の花粉にアレルギー症状が現れるスギ+ヒノキ花粉症など、花粉症を合併している人も多くいることが報告されています。
いまだ解明されない原因
では、なぜ花粉症になってしまうのでしょうか。これについては、現在でもはっきりした原因は解明されていません。しかし原因として考えられているものとして、遺伝と環境因子があげられます。つまり、もともと花粉に対してアレルギーを起こしやすい家系に生まれ、かつ花粉が多く飛ぶ地域で生活をしていると花粉症になりやすくなってしまうということです。
花粉の種類は違っても治療法は同じ
相談者の方のように目に症状が現れる場合、抗アレルギー薬の点眼治療を行います。抗アレルギー薬だけで症状が治まらない場合には、ステロイド点眼薬を併用します。ステロイド点眼薬の方が症状を抑える効果は強いのですが、副作用の危険性が増すので注意が必要です。
花粉の種類によって治療が変わるということはありません。ご自身でできる対策としては、人工涙液の点眼による洗眼、ゴーグル型眼鏡の使用などがありますが、症状が強い場合には、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
小諸厚生総合病院眼科医長 大谷 壮志先生