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不眠症

寝つきが悪く、なかなか眠れません。

最近寝つきが悪く、布団の中に入ってもなかなか眠ることができません。そのせいで昼間、眠気が襲ってきて困っています。不眠の原因や治療法などを教えてください。(50代・女性)

睡眠障害に加えて日中の活動性も低下

不眠症とは毎晩の実際の睡眠時間の長短に関わらず、患者さん自身が睡眠に対する不足感を訴え、身体的、精神的、社会的に支障があると判断した状態をいいます。睡眠の障害に加えて、日中の活動性の低下がみられるものが不眠症です。
不眠症は、症状によって次の4種類に分けられます。

 

    1. 入眠障害(寝つきが悪く、なかなか眠れない。寝つきに30分~1時間以上掛かる)
    2. 中途覚醒(朝起きるまでに何度も目が覚める)
    3. 早朝覚醒(朝早く目覚めてしまい、再度眠ることができない)
    4. 熟眠障害(睡眠時間は十分とっているが、眠りが浅く、熟眠感が得られない)

 


睡眠薬は指導を守って安全な服用を

原因はさまざまで、精神疾患、内科疾患なども不眠を引き起こすため、鑑別が必要です。治療のために患者さんが受診する診療科としては、主に内科と精神科(心療内科)があります。心理的要因が原因の場合、精神科での治療やカウンセリング、投薬治療の方が適切な治療を受けられることもあります。
治療には薬物療法と非薬物療法があります。薬物療法として使われる睡眠薬は、前述の不眠症の種類、年齢、全身状態、生活状況に応じて選択されます。睡眠薬は医師、薬剤師の指導を守って正しく使用すれば安全です。しかし、睡眠薬には習慣性があるので、医師の診断の下で服用してください。また、自己の判断で服用を中断することがないようにしてください。

 

睡眠の仕組みを知り、妨げる要因を避ける

非薬物療法として日常生活での注意点は、以下のようなことがあります。睡眠の仕組みを知るとともに、妨げる要因はなるべく避けるようにしましょう。


睡眠を妨げる要因を避ける
・夕食後にカフェインを含む飲み物を避ける
・寝酒をしない
・寝る前のタバコをやめる
・寝る前にたくさん食べない
・寝る直前に熱い風呂に入らない


睡眠の仕組みを知る
・日中すっきり過ごせれば睡眠時間は十分とれる
・早起きと朝の日光が早寝をもたらす
・いつもの入眠時刻の2~4時間前は最も眠りにくい
・眠くなってから床につく
・適度な運動習慣が安定した睡眠をもたらす


前述した通り、不眠症の原因はさまざまです。一人で悩みを抱え込まず、まずは医療機関などに相談や診断を受けられることをおすすめします。


佐久総合病院 上垣 史緒理研修医

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