しゃっくり
小さい頃からしゃっくりがよく起きて悩んでいます。主に食事後に起きるのですが、しゃっくりが出なくなる、または止める方法があれば教えてください。
しゃっくりとは
しゃっくりについては、分かっているような分かっていないような分野の問題です。
昔から、柿のへたを煎じて飲ませるとか、冷水をコップの向こう側に口をつけて飲む等、しゃっくり(吃逆)を止める方法はいくつか言い伝えられています。
今日の診療プレミアムVOL.13.2003年版(医学書院)によれば、医学的には「横隔膜を主とする呼吸筋の不随意収縮と、それに伴う深い呼気により反射性の声門閉塞が起きて、この時に特有の音を発する」のがしゃっくりということです。原因は中枢性のもの(脳圧亢進や血流障害など)、頚部や胸部疾患による末梢性(縦郭腫瘍や胸膜炎など)、横隔膜刺激による反射性のもの(腹部手術後や腹水など)が考えられます。
基礎疾患が無いか検査を
ご質問の方は、生まれつきしゃっくりが多いとのことですが、例えばその症状発現の頻度が増しているのであれば、前述したような基礎疾患が無いかどうか検査をした方がいいかもしれません。また、症状の発現のきっかけに、食事の刺激物の摂取や精神的な要素が無いかどうか注意してみることも必要でしょう。胃が拡張することにより直接横隔膜刺激が起きるのか、迷走神経を介して横隔神経が刺激されるのかは分かりませんが、食べる速度と量が関係していると考えるのが一般的でしょう。問題はどの科が専門かということですが、病院によって異なり呼吸器内科、消化器内科、耳鼻科と回される可能性がありますのでお気をつけください。
確実な治療法は・・・
即効性のある治療法で確実なものは思い当たりませんが、呼吸筋の随意的抑制や、咽頭への機械的刺激という意味で上記の方法などは効果が期待されます。我々も、手術後の患者さんの訴えでおうおうにして遭遇するのがこのしゃっくりで、抗不安薬などの静脈内や筋肉内注射を試みることもあるのですが、なかなか難渋するのが本当のところです。いずれにしても後ろからびっくりさせることは患者さんに叱られこそすれ、しゃっくりが止まって感謝されたことはありません。
小諸厚生総合病院 外科医長 高田学先生