突発性発疹
姉の子どもが2〜3日高熱を繰り返し、平熱に戻ったかと思うと目の周りやお腹に発疹が現れたため、慌てて受診したところ、突発性発疹と診断されました。いざというときの対処法などがあれば教えてください。(20代・女性)
発症時に見られる症状
突発性発疹は生後6カ月から2歳くらいまでの乳幼児によく見られる、発疹を伴うウイルス感染症です。典型的な経過としては、生まれて初めて高熱が出て、2〜4日して熱が下がったと思ったら、その当日か翌日くらいから発疹が全身に出ます。
熱と発疹は突発性発疹以外のウイルス感染症(いわゆる風邪や麻疹・風疹など)でもよく見られますが、突発性発疹の特徴は熱が下がった後に発疹が出ることです。小児科医もこの特徴的な経過をみて突発性発疹と診断します。
基本的には自然に治る
突発性発疹は基本的には自然に治る感染症ですので特に治療を必要としません。発疹も通常数日で自然に消えます。下痢や首のリンパ節の腫れなどが出現することも少なくないですが、熱が下がるとともにこれらの症状も落ち着きます。
家庭での基本的な対応としては、熱が高くてつらそうなら解熱剤を使ってあげたり、食欲がなくても水分だけは少しずつ飲ませてあげたりして脱水を予防することが大切です。
様子をよく観察して落ち着いた対処を
また、突発性発疹は熱性けいれんを起こしやすいことも知られています。熱性けいれんは熱の上がり初めの時期に起こりやすくなります。けいれんは数分で落ち着くことがほとんどで、脳には悪い影響を及ぼしませんので、けいれんが起こった場合は落ち着いて様子を観察し、救急車を呼びましょう。
しかし、まれに脳炎・脳症といった脳に影響を及ぼす合併症が起きることも報告されています。熱が高いときはお子さんの様子をよく観察し、反応が悪い、嘔吐を繰り返している、ぐったりしているなど、心配な症状があればすぐに病院を受診してください。
ちなみに、突発性発疹は1回かかると次はかからないと思われている方も多いかと思いますが、突発性発疹の原因ウイルスは数種類あるといわれているので、2回以上の突発性発疹もあり得ます。何回目であっても対応は同じなので、熱が下がって発疹が消えるまで落ち着いて待ちましょう。
佐久総合病院 小児科 氏家 紘平先生