関節リウマチ
- リウマチとはどんな病気ですか?また、どんな検査や治療法がありますか?
指や手の関節が痛み、関節が腫れてきた。知人にリウマチの人がいて、自分もリウマチではないかと心配なのだが、どんな検査が必要か。また、リウマチを完治させる治療法はあるのか。
関節リウマチの可能性
関節が痛んで腫れるのは、炎症が起きている関節炎の状態です。中年女性の関節炎では関節リウマチの可能性を考えて、診断・治療する必要があります。関節リウマチでは、多くの関節に痛み・腫れが生じ、その状態が続くと関節が壊れてきます。朝の手指のこわばりも特徴的な症状です。関節リウマチ以外に関節が腫れて痛む病気では変形性関節症などがあります。
診断は、血液検査・X線写真などの検査結果と症状を組み合わせて総合的に判断します。確定診断が下されるにはいくつかの症状がそろっていることが必要で、ある程度病状の進んだ時期ということになります。
自己免疫作用による関節炎
従来は関節リウマチと確定診断されてから、初めて治療を開始することもありました。現在ではそれ以前の早期リウマチと呼ばれる段階でも、関節炎がひどければ治療を開始する方向に変わってきています。関節が壊れる前に治療を開始することが重要だと考えられるようになってきたからです。
人間の体には、病原菌などの異物を攻撃して自分の体を守る「免疫」という作用があります。関節リウマチでは外敵ではなく自分の体に対して「免疫」作用を起こし、自分の体を攻撃してしまう「自己免疫」という状態が生じ関節炎を起こしています。
定期的な診察を
現在のところ関節リウマチを完治させる治療法はありません。免疫異常の状態を改善することによって関節炎を和らげ、関節破壊を予防するために、できる限り早期から抗リウマチ薬が使われます。症状が強い場合には、ステロイドの注射や内服薬、鎮痛薬を併用します。
抗リウマチ薬は治療効果が期待でき、リウマチ治療には不可欠の薬ですが、様々な副作用の危険性もあります。中には命に関わるような重篤な副作用もあります。定期的な診察、検査が欠かせません。
小諸厚生総合病院 宮正彦先生(リウマチ科)