身体のゆがみ
友人から身体のゆがみや姿勢を正すと、肩こりや頭痛などの症状が改善されるほか、痩せやすくなると聞きましたが本当でしょうか。(20代・女性)
痛みの発生の仕組み
筋肉には網の目のように血管があり、大量の血液が流れています。その血流が促されるのは周りの筋肉が縮まったり緩んだりを繰り返すためです。血管を水道のホースに例えると、水の勢いを調節する指のような役割を筋肉が行います。これが十分に行われないと血液によって運ばれる酸素の供給が不足し、老廃物資がたまり、痛みとして認識されます。
姿勢が崩れると、一部の筋肉は縮まった緊張状態が続きます。緊張状態が続くと、先に説明したとおり縮まったり緩んだりの筋肉運動が行われなくなり、筋肉の中を通る血管の血流は低下します。血流の低下が原因で生じる頭痛や肩こりがあるため、姿勢を正すことは痛みを予防するうえで非常に大切です。
姿勢の見直しが大切
姿勢を正すには、自分の姿勢を知ることが必要です。腰かけたり立ったりしているときの姿勢はどうでしょうか。猫背で頭が前に突き出たり、腰をそってお腹が突き出ていたりしていませんか。良い姿勢をとるのに大切なのは、背骨と足の骨をつなぐ骨盤です。骨盤が前や後ろに大きく傾くことで猫背や腰をそった姿勢になってしまいます。こうした姿勢は、背中や首、腰に負担がかかり、さらには股関節や膝、足先にまで悪影響を与えてしまいます。
腰掛けた状態で腰に手を当て、骨盤を前へ傾けたり後ろへ傾けたりしてみましょう。背中が伸びたり丸まったりします。伸び過ぎたり丸まったりし過ぎず、骨盤がしっかりと起きている状態が正しい位置です。また、骨盤を前や後ろへ傾けるとその周りの筋肉が働きますので運動としても効果的です。筋肉の活動が上がると代謝が良くなりますのでカロリー消費にもつながります。まず自分で行えることから取り組んでみましょう。
小諸厚生総合病院 リハビリテーション科理学療法士 波田野 千恵先生