骨密度
健康診断の案内を見ると骨密度の検査がありますが、何歳くらいから受けた方がよいのでしょうか。また、骨を丈夫に保つ方法を教えてください。(30代・女性)
X線や超音波を使って測定
私たちの身体は骨が支えていて、年齢とともに、もしくは何らかの病気で弱くなっていきます。この骨の強さを表す指標が骨密度です。20~40代の平均的な骨密度の70%以下になると骨折する可能性が高くなり、その状態を骨粗しょう症と呼んでいます。
骨密度は、X線や超音波を使った装置で測ることができます。特に女性は、閉経後に骨密度が低下しやすくなるので、65歳を越えた女性は検査し、骨粗しょう症になっていれば治療を受けることをおすすめします。
骨折は痛いだけでなく、その後の生活に影響する可能性もあります。特に大腿骨や腰の骨折で寝たきりになってしまうこともあり、元気に生活し続けるためにも骨折しにくい状態を保つ必要があります。
食事への配慮とともに適度な運動を
骨密度を維持するには、栄養、特にカルシウム、ビタミンD、ビタミンKが含まれた食事を摂ることが大切です。カルシウムは乳製品や小魚、豆製品などに多く含まれます。ビタミンDはサケやサバなどの魚、ビタミンKは納豆やほうれん草、ブロッコリー、キャベツなどに多く含まれています。また、食事とともに大切なのが日頃行う適度な運動です。ジョギングやウォーキングなどが理想的ですが、階段の上り下りといった日常生活での運動も骨折予防に効果があります。
骨密度を測定する意義は骨折予防
骨粗しょう症と診断された場合は、薬の服用も大切です。薬は何種類かありますが、中には朝の空腹時に飲まなければいけないなど、服用時にいくつか注意が必要な薬もあります。手間はかかりますが効果はあるので、処方された場合は必ず服用するようにしてください。
骨密度を測定する意義は、骨折予防にあります。毎日の食事や運動、薬の服用などで骨折しにくい身体をつくることだけでなく、転びにくい環境を整えることも大切です。つまづきそうな箇所や階段、お風呂の手すり、足に合った靴を履いているかなど、注意してみてください。つまづいたり転倒する場所がある場合は改修するなどして、骨折の予防につとめましょう。
佐久総合病院総合診療科 小池 宙先生