歯の矯正
8歳の娘が歯並びの悪さを気にし始めたので、矯正してきれいな歯並びにしようと考えています。まだ乳歯が残っていますが、すべて永久歯に生えそろってからの方が良いのでしょうか?(20代・主婦)
歯並びの悪さが与える影響
上下の歯やあごを、正しい位置関係に移動させることが矯正の目的です。歯並びが悪いと虫歯や歯周病になりやすく、口臭の原因にもなります。また、噛み合わせが悪いと食べ物がうまく噛めなかったり、聞き取りにくい発音になるほか、歯ぎしりや肩こり、顎関節症の原因になるともいわれています。
前歯の噛み合わせが逆(反対咬合)、上下のあごのバランスが大きくずれている、あごの幅が小さくて歯がきれいに並ばずガタガタしている場合などは、すべての乳歯が永久歯に生えそろう前に治療を始めた方が良い場合もあります。成長期にこのような症状を放っておくと、あごの発育が遅れたり、ゆがみにつながることもあります。
治療方法と時期
よく知られている矯正治療は、永久歯の表側にブラケットを付けて行う全体的な矯正です。この治療は、永久歯が生えそろった小学校高学年から成人が対象です。最近は、歯の裏側に付ける目立ちにくい装置(舌側矯正)もあります。幼少期の治療には、短期間で前歯のみ治療する部分矯正や上下のあごの大きさのバランスを整える装置、あごが小さい場合に幅を広げる装置などがあります。固定式の装置や自分で取り外しができる装置もあります。治療中は、粘着性のガムやキャラメル、硬い食べ物などは装置が外れたり、壊れる原因になりやすいので注意が必要です。また、複雑な装置を付けた場合は、虫歯にならないように丁寧に歯を磨きましましょう。
保険が適応されるケース
治療内容によって期間や費用はさまざまですが、一般的に保険は適応されません。歯の移動だけでは改善できないほど上下のあごの位置がずれているような場合(顎変形症)には成長期を過ぎてから、あごの手術をして噛み合わせを改善することがあります。このような場合は、専門施設であれば矯正治療と手術に対して保険が適応されます。
適した時期に治療を始めて負担を少なくするためにも、早めに矯正専門医にご相談することをおすすめします。
佐久総合病院 歯科口腔外科 川崎 真友子先生