小児のアレルギー検査
3才の子どもがいるのですが、どんなアレルギーを持っているのか心配です。 検査などで確かめる方法はありますか。(30代・女性)
アレルギーといえば気管支喘息、花粉症、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などが一般的ですが、一口に小児のアレルギー検査といってもいくつもありますので、今回はこの中でも特に重要な検査についてお話したいと思います。
血液中のIgE抗体を調べる
広く行われている検査は血液中のIgE抗体という成分を調べる検査です。目的とする物質のIgE抗体を調べて陽性であれば、その物質に対するアレルギー反応が起こる可能性があります。気管支喘息、花粉症、アトピー性皮膚炎などはダニ、ホコリ、猫や犬のフケ、各種花粉、カビなどを調べます。食物アレルギーは各種食物を調べます。
この検査は、結果の解釈に注意しなければいけません。なぜならIgE抗体の数値の高さは、あくまでアレルギー症状の出やすさを示しているだけであって、必ずしも症状が出るとは限らないからです。また、数値の高さと症状の重症度は関係がありません。
結果のみでは診断できない
従って、IgE抗体の結果のみをもって診断することはできません。実際に症状があって数値が陽性であることが重要になります。また、遺伝的にアレルギーになりやすい場合に、あくまで予測する手段としては有用になります。
なお、すでに症状があって疑わしい物質のIgE抗体が陽性であった場合には、その物質が悪さをしていると思われますので、それらの物質を避ける必要があります。
実際に食べて症状を確認
もう1つ重要な検査としては食物アレルギーの場合に食物負荷試験という検査があります。実際に食物を食べて症状が出るかどうかを確認します。先ほどのIgE抗体検査があくまで参考的検査でしかないのに対し、食物負荷試験は確定的な検査になります。
ある食事をしてアレルギー症状が出た場合にどの食物が原因かを確かめるときや、今までIgE抗体の数値のみで除去になっていた食物や症状が出て除去していた食物が年齢とともにIgEの数値も下がってきたとき、実際食べられるかどうかを確かめるときなどに行う検査です。医師が付いて十分安全に配慮して行います。(2015.09)
佐久総合病院 佐久医療センター 小児科 重田 大輔先生