PET-CTがん検診
知人から「PET-CTがん検診を受けてみれば」と言われましたが、私は受けたことがありません。どのような検査をするのでしょうか。(40代・女性)
PET-CTがん検診とは
佐久医療センターでは、平成26年3月の開院に伴い最新鋭のPET-CTを導入し、これを用いたがん検診を開始しました。
PET-CTは、癌が糖を多く取り込む性質を利用して画像化したPETと、身体の中を細かく見ることができるCTを一度の検査で撮影することができます。さらに両者を融合した画像をつくることで、身体のどの部位にどの程度の大きさの病変があるかが分かりやすくなります。これにより、従来の画像検査(X線、CTなど)よりも癌を早期のうちに発見しやすくなったとされています。
検査前の絶食(およそ6時間)や検査薬の注射以外に特に大きな苦痛はなく、受け付けから検査終了までおよそ3時間でほぼ全身(頭から太ももの辺りまで)をチェックすることができます。放射線を使うため被曝はありますが、健康への影響はほとんど無視できる程度です。
PET-CTの弱点
一方で、PET-CTにも弱点があります。例えば、一部の癌は糖の取り込みが弱く、PETでの検出が困難とされています。サイズの小さい癌についてもやはり検出は困難です。逆に、炎症性疾患や一部の良性腫瘍などで糖の取り込みを示し、癌と紛らわしい画像となることがあります。
また、脳や消化管や尿路など、正常でも糖を多く取り込む臓器、あるいは検査薬の排泄経路となる臓器の病変は、周囲に紛れてしまうため検出が困難になります。これらについては、頭部MRIや内視鏡など他の検査と併せて評価することが重要になります。
当院のPET-CTがん検診では、PET-CTのほかに便潜血検査と血液検査(腫瘍マーカー等)も行っています。(2016.05)
佐久総合病院 佐久医療センター 放射線診断科 清水 淳史先生