りんご病
りんご病とは、どんな病気なのでしょうか?
4歳になる子供がいます。 りんご病は幼少期に多くかかると聞きましたが、どんな病気なのでしょうか。
正式名は伝染性紅斑
りんご病は、正式には伝染性紅斑といいます。この病気にかかると頬が赤くなり、りんごのように見えるため、りんご病という名前で有名です。病気の原因は、パルボB19というウイルスです。飛沫感染し、感染してから10~20日位で体に発疹が出てきます。その前に軽い風邪のような症状が出る人もいます。発疹は例えれば、頬が叩かれた時のように赤くなり、腕や脚にレース状の発疹が出て、少しかゆがる人もいます。ほとんどの人はそれ以上の症状はなく、発疹も1~2週間位で消え、特別な治療は必要ありません。成人では関節炎の合併があり、女性に多いといわれています。その時も痛み止めと安静で多くは1ヶ月以内に治ります。
成人の40~60%がすでに経験
この病気は主に子供が多くかかり、かかった人の70%は5~15歳といわれています。春先から初夏にかけて保育園や小学校での流行が時に見られます。それ以外の時期でも、この病気にかかる人はいます。成人は40~60%の人がすでにかかっているといわれています。予防接種は今のところありません。また発疹が出たときには伝染力はなく、他の人に移すこともありませんので、関節炎等が無ければ登園や登校は可能です。
妊娠中の女性は注意
この病気の合併症で一番問題になるのは、妊娠中の女性がかかると、お腹の赤ちゃんに強い貧血が起こり、流産や胎児死亡の可能性があることです。その頻度は約5%といわれています。今までりんご病にかかったことのない妊娠中の女性は、りんご病が流行しているときには、人混みを避け、帰宅時には手洗いやうがいなどをした方がよいでしょう。
佐久総合病院 小児科 牛久 英雄先生