サプリメント
私は食事の代わりにサプリメントを摂ることが多いのですが、やはり摂り過ぎはよくないのでしょうか。健康な状態でサプリメントを摂取し続けると、どんな問題が起きるか教えてください。
しっかりした知識を持つことが大切
健康ブームの今、サプリメントが注目を集めており、ダイエットや老化防止などさまざまな効果がテレビや雑誌などで紹介されています。しかし、サプリメントも摂り方次第では体に害を及ぼす恐れがあります。サプリメントの種類によって症状が異なりますので、しっかりとした知識を持つことが大切です。
摂り過ぎによる症状
ビタミンの場合、ビタミンA、D、E、Kの脂溶性ビタミンとそれ以外の水溶性ビタミンと2種類あります。脂溶性ビタミンは、摂り過ぎると体内に蓄積されるため、過剰症を起こす危険性があります。例えば、ビタミンAの過剰症は頭痛、吐き気などです。水溶性ビタミンは尿とともに排泄されます。今話題のαリポ酸も同じ水溶性なので、たくさん摂取しても意味がありません。逆に、多く摂取し続けると排泄する癖が付いてしまい、本来必要な分まで体外に排泄してしまう恐れがあるので注意しましょう。便秘改善や血糖の上昇を緩やかにするといわれる食物繊維は、摂りすぎると下痢を起こしたり、カルシウムや鉄分の吸収を阻害してしまいます。食事から摂取する分は問題ありませんが、サプリメントでの摂り過ぎには気をつける必要があります。
また、DHA、EPAなどの脂肪酸類やβ‐カロテン、コラーゲンなどは効果が目に見えない栄養素ですので、摂り過ぎてしまう危険性があります。注意してください。。
食事で不足したものを補うのが役目
サプリメントは、あくまでも食事で足りないものを補う場合に摂取するものです。私たち日本人は、主食、主菜、副菜といったバランスの良い日本型食事をすることで、必要な栄養素は十分補うことができます。3食きちんと食事をしたうえで、不足しているものを目的に応じて選び、摂取することが、サプリメントの効果的な使用法といえます。
小諸厚生総合病院 栄養科管理栄養士 土屋 裕美氏